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高輪ゲートウェイ駅【隈研吾】

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高輪ゲートウェイ駅とは?

高輪ゲートウェイ駅は2020年に開業した山手線の新駅である。

設計を務めたのは、今話題の絶えない建築家隈研吾

コンセプト「駅まち一体」

このコンセプトを基に、白い大屋根と樹状柱による魅力的な空間が新たに完成している。

隈研吾とは?

  • 1954 横浜に生まれる
  • 1979 東京大学大学院修了
  • 1979 日本設計就職
  • 1990 隈研吾建築都市設計事務所設立
  • 1997 日本建築学会賞作品賞受賞
  • 2009 東京大学工学部建築学科教授

隈研吾は、木材をふんだんに使用した日本的な建築を数多く手がける建築家である。

代表作としては、「那珂川町馬頭広重美術館」「浅草文化観光センター」「明治神宮ミュージアム」などが挙げられる。

最近では、2021年に開催された東京オリンピックのメインスタジアム「国立競技場」を手掛けたことでも話題となった。

建築の特徴

高輪ゲートウェイ駅の建築的特徴としては、次のような点が挙げられる。

  1. 駅全体を覆う白い膜屋根
  2. 折り紙をモチーフにした屋根形状
  3. 大屋根を支える樹状構造
  4. 随所に用いられた木材
  5. 他の駅にない新しい設備

駅全体を覆う白い膜屋根

高輪ゲートウェイ駅最大の魅力は、白い膜屋根によって覆われた、おおらかな屋根下空間にある。

この膜屋根は、光を適度に透過するため、昼間は照明がなくても明るい空間がつくられ、人々に心地よい体験をもたらす。

さらに、白い膜屋根は軽量なうえに熱を通さないという特性もあるため、あらゆる面でこの駅舎の構成に適した材料であることがわかる。

折り紙をモチーフにした屋根形状

上空から見ると有機的な形状をしている膜屋根。

この膜屋根の形状は、折り紙をモチーフとした幾何学的形態によって規定されているという。

さらに、適度に光を通す様子は日本伝統の障子をイメージしているそうで、どこか日本らしさを感じるような隈研吾らしい作品になっている。

大屋根を支える樹状構造

駅全体を覆う大屋根を支えているのは、樹木のような有機的な形態を持つ樹状柱である。

この柱が荷重をうまく分散して大屋根を支えることで、コンコースとホームが吹き抜けを介してつながった魅力的な大空間を実現している。

随所に用いられた木材

photo by 東京グッド / CC BY-SA 4.0

高輪ゲートウェイ駅には隈建築らしく、木材が様々な場所に用いられている。

最も魅力的だと感じたのが、床にも木目調のタイルが用いられていることである。

この構成によって、駅舎というどこか冷たいイメージのある空間が、温もりを感じる空間へと変化している。

他の駅にない新しい設備

photo by Mister0124 / CC BY-SA 4.0

高輪ゲートウェイ駅には、他の駅にはない設備やロボットを設置するなど、新たな試みが多数行われている。

その一つが、無人決済店舗「TOUCH TO GO」というコンビニの設置である。

このコンビニは、手にした商品を勝手に認識して、レジの前に行くだけで持っている商品が表示されるというシステムになっている。

建築概要

  • 所在地:東京都港区港南
  • 竣工 :2020年3月
  • 用途 :駅舎
  • 構造 :S造
  • 階数 :地下1階 地上3階
  • 高さ :約28m
  • 設計 :隈研吾建築都市設計事務所
  • 構造 :JR東日本建築設計
  • 設備 :JR東日本建築設計
  • 施工 :大林組+鉄建建設

最後に・・・

以上が2020年に開業した山手線の新駅、高輪ゲートウェイ駅の特徴でした。

白い膜屋根で覆われ、コンコースとホームがつながった大空間が魅力的な駅舎になっていたと思います。

ご覧いただきありがとうございました。

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