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明治神宮ミュージアム【隈研吾】

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明治神宮ミュージアムとは?

明治神宮ミュージアムは、日本を代表する神社「明治神宮」の参道の途中に建つ博物館である。

設計を務めたのは、木材を使用した建築で話題の建築家隈研吾

もりに溶け込む建築

このコンセプトを基に、明治神宮を象徴する「100年の杜」に自然と溶け込んだ、魅力的な博物館が完成している。

明治神宮とは?

photo by Kakidai/CC 表示-継承 4.0

明治神宮とは、東京都渋谷区にある、「明治天皇」と「昭憲皇太后」をお祀りする神社のことである。

例年、初詣では日本一の参拝者数を誇る神社としても知られる。

初詣参拝者数ランキング
  • 1位 明治神宮(東京)
  • 2位 成田山 新勝寺(千葉)
  • 3位 川崎大師 平間寺(神奈川)
  • 4位 浅草寺(東京)
  • 5位 鶴岡八幡宮(神奈川)

参考:http://park.tachikawaonline.jp/news/shrines_temples/3203/

そんな、日本を代表する神社にまつわる宝物や美術品などを展示し、明治神宮の歴史を広く伝えるために建てられたのが今回紹介する「明治神宮ミュージアム」である。

隈研吾とは?

  • 1954 横浜に生まれる
  • 1979 東京大学大学院修了
  • 1979 日本設計就職
  • 1990 隈研吾建築都市設計事務所設立
  • 1997 日本建築学会賞作品賞受賞
  • 2009 東京大学教授に就任

隈研吾は、木材をふんだんに使用した日本的な建築を数多く手がける建築家である。

代表作としては、「V&A Dundee」「根津美術館」「広重美術館」などが挙げられる。

最近では、2021年に開催された東京オリンピックのメインスタジアム「国立競技場」を手掛けたことでも話題となった。

建築の特徴

明治神宮ミュージアムの建築的特徴としては、次のような点が挙げられる。

  1. 明治神宮「100年の杜」に溶け込む建築
  2. 日本伝統「入母屋造」の屋根
  3. 落ち着いたダークグレーの外観
  4. 杜の木立を感じさせるメインロビー
  5. 白く塗られた梁
  6. 杜を眺める2階ロビー
  7. 伐採された樹木を利用した家具

明治神宮「100年の杜」に溶け込む建築

明治神宮を象徴する大規模で緑豊かなもり

実はこの杜、明治天皇がなくなった後に全国のボランティアによって植えられたものであり、約100年という短期間でこれまで成長したことから、「林学上の奇跡」とも言われている。

そんな、明治神宮「100年の杜」との関係性を特に重視し、杜に溶け込む形で計画されたのが明治神宮ミュージアムである。

日本伝統「入母屋造」の屋根

「100年の杜」に溶け込む建築の在り方を追求した結果、日本伝統の屋根形式である「入母屋造いりもやづくり」が採用された。

入母屋造

入母屋造は、古い寺社建築や古民家に用いられた屋根形式の一つである。

切妻造と寄棟造を掛け合わせたような形状をしている。

入母屋造りを採用した理由としては、、、

  • 建物全体の高さを抑えられる
  • 四方の杜へ伸びる軒を低く抑えられる
  • 内部空間を大きくとれる

などが挙げられ、杜に対して最大限配慮した結果による構成だということがわかる。

落ち着いたダークグレーの外観

明治神宮ミュージアムの外仕上げには、ダークグレーの落ち着いた色合いが使用されている。

これも、明治神宮の杜に溶け込むための工夫である。

杜の木立を感じさせるメインロビー

ミュージアム入口を入ってすぐ現れる、最高高さ約7mの開放的なロビー空間。

ここでは、樹木のような柱が点在し、外の豊かな杜が内に連続したような構成となっている。

さらに、外の杜に対して大きく開いた開口部や、入母屋造の屋根を採用したことで生まれたハイサイドライトによって、一層杜の中にいるような気分が味わえる。

木造のように見える柱梁であるが、実は鉄骨造。

鉄骨を木材のように見せることで、「暖かみのある空間」と「スパンを飛ばした大空間」の共生が実現している。

白く塗られた梁

メインロビー空間を構成する梁の下面は白く塗りつぶされている。

これは、神社建築でよく見られる手法を踏襲したもので、伝統ある神社に関する美術館というのを意識しての構成となっている。

白く塗られた木口

多くの神社建築では、木材の断面となる木口こぐちが白く塗りつぶされている。

こうすることで、木口から水が浸入して膨満や割れを生じることを防いでいる。

杜を眺める2階ロビー

3つの展示室を回った後に現れる、2階のロビー空間。

実はこの空間、外から見ると2,3m程杜に床が張り出している。

この張り出した床、外に対して大きく開け放たれた大開口などによって、明治神宮の自然を堪能することができる魅力的な空間となっている。

伐採された樹木を利用した家具

2階ロビーや1階のメインロビーに設置されている、木材と鉄骨で作られたベンチ。

実はこれ、明治神宮ミュージアムを建設するにあたって伐採された木材を利用してつくられている。

ここにも、明治神宮の貴重な杜に対する尊敬の念が見える。

建築概要

  • 所在地:東京都渋谷区代々木神園町
  • 竣工 :2019年10月
  • 用途 :博物館
  • 構造 :鉄骨造
  • 階数 :地上2階
  • 設計 :隈研吾建築都市設計事務所
  • 施工 :清水建設
  • 構造 :金箱構造設計事務所
  • 設備 :森村設計

施設概要

  • Tel    :03‐3379‐5875
  • 営業時間:10時~16時30分
  • 休館日 :毎週木曜日
  • URL  :https://www.meijijingu.or.jp/museum/
  • アクセス:JR原宿駅から徒歩5分
  • 料金  :
一般高校生以下小学生未満
1000円900円無料

最後に・・・

以上が明治神宮ミュージアムの特徴でした。

明治神宮100年の杜に溶け込むように配慮された、魅力的な建築物になっていたと思います。

たけひこ
たけひこ

是非一度、明治神宮ミュージアムに訪れてみてください!!

ご覧いただきありがとうございました。

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