みなさんこんにちは、本サイト「建築LIFE」を運営しているたけです。
今回は、東京・表参道の象徴的存在でもある「表参道ヒルズ」の建築的特徴を解説していきたいと思います。
安藤忠雄の代表作でもある表参道ヒルズについて詳しく解説しているので、是非最後までご覧ください。
表参道ヒルズの概要

表参道ヒルズは、日本における鉄筋コンクリート造集合住宅の先駆け的存在「同潤会青山アパート」が元々建っていた敷地に建つ、商業施設と集合住宅を併設した複合施設である。
建築の設計は、コンクリート建築でおなじみの建築家「安藤忠雄」が担当。
同潤会青山アパートとという過去の記憶を継承しつつ、表参道の象徴でもある「ケヤキ並木」と調和した魅力的な建築物となっている。
そんな、安藤忠雄の代表作でもある表参道ヒルズの建築的特徴について、今回は詳しく解説していく。
設計者:安藤忠雄とは?
- 1941 大阪市に生まれる
- 1969 安藤忠雄建築研究所設立
- 1976 住吉の長屋で日本建築学会賞受賞
- 1989 ハーバード大学客員教授
- 1997 東京大学工学部建築学科教授
建築に関わる者であれば、知らない人はいないであろう世界的建築家・安藤忠雄。
元プロボクサー、独学で建築を学んだこと、関西人らしい性格など、建築家以外の要素でも魅力的な面をたくさん持った人物である。
代表作としては「住吉の長屋」「光の教会」「頭大仏殿」などが挙げられ、コンクリートと幾何学を用いたスタイリッシュな建築作品を数多く手がけることで知られる。
安藤忠雄の建築は海外でも人気があり、アメリカの歌姫「ビヨンセ」とラッパー「ジェイ・Z」の夫婦が、安藤忠雄設計の住宅を約2億ドル(約283億円)で購入したことでも話題となった。
表参道ヒルズの建築的特徴
同潤会青山アパートの跡地に建てられた複合施設

photo by PhantomII.Rider/CC 表示-継承 4.0
大正から昭和期にかけて東京・横浜を中心として複数棟建設された鉄筋コンクリート造の集合住宅「同潤会アパート」。
かつて、表参道ヒルズの敷地にはこの「同潤会青山アパート」が建っており、表参道の象徴的存在となっていた。
しかし、老朽化などの問題から同潤会青山アパートは建て替えられることとなり、現在の商業施設や集合住宅を併設した「表参道ヒルズ」が建設される運びとなったのである。
ケヤキ並木との調和

表参道の象徴的存在でもあるケヤキ並木。
表参道に建つ建築物は、ほぼすべてと言っていいほど、このケヤキ並木との調和を考慮して設計されている。
表参道ヒルズも例外ではない。
安藤忠雄は、建築ボリュームの大半を地下に埋め込むことで、建築全体の高さがケヤキ並木を大きく超えないように配慮している。
スロープで囲われた6層吹き抜けの大空間

表参道ヒルズの施設内部には、上の写真のように地下3階~地上3階までが吹き抜けになった、高さ25mにも及ぶ大空間が展開されている。
そして、この吹き抜け空間の周囲には、ひとつながりになったスロープが巡らされており、人々の活動や視線が交わる豊かな空間を作り出している。
また、このスロープの勾配は、表参道の街路とほぼ同じ1/20勾となっており、街から空間の質を連続させることで、表参道と建物の間に連続性をもたらしている。
一部復元された同潤会青山アパート

基本的に表参道ヒルズの外観は、ガラスのファサードが250m近く連続する現代的な構成となっている。
しかし、南東端の一部だけに、かつての同潤会青山アパートの姿かたちをそのまま復元したファサードが展開されている。
現代の流れに身を置きながらも、しっかりと過去の記憶を継承した優れた建築作品である。
切り込まれたエントランス空間

ケヤキ並木に沿うようにして、250mほど細長く展開される表参道ヒルズ。
しかし、その連続するファサードの一部に、切り込みが入り三角形の広場を形成している部分がある。
この部分が表参道ヒルズのメインエントランスになっており、そこから中に入ると、先ほど紹介した6層吹き抜けの大空間が目の前に広がるという空間構成となっている。
この流れるような動線計画も安藤忠雄建築の魅力であろう。
表参道の有名建築物

今回はこれで以上になります。
最後までご覧いただきありがとうございました。