建築家ノーマン・フォスターとは?【代表作品6選を解説】

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ノーマン・フォスターとは?

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ノーマン・フォスターの経歴

  • 1935年 イギリス・マンチェスターに労働者階級として生まれる
  • 1951年 マンチェスター市役所会計部勤務
  • 1953年 兵役で空軍に入隊
  • 1961年 マンチェスター大学卒業
  • 1963年 イェール大学修士号取得
  • 1963年 チーム4を設立
  • 1967年 フォスター・アソシエイツ設立
  • 1999年 プリツカー賞受賞
  • 1999年 一代貴族に叙される

ノーマン・フォスターは、イギリス・マンチェスターで貧しい労働者階級に生まれながら、1999年にはイギリスの「一代貴族」にまで上り詰めた、現代建築界を代表する建築家である。

フォスターは、1970年代に登場した建築様式「ハイテク建築」のパイオニア的存在であり、設備や構造をあえてファサードに表出させる革新的な設計スタイルの建築家として知られている。

そんなフォスターの代表作には、ハイテク建築の象徴として知られる「香港上海銀行・香港本店ビル」や、新旧の要素を融合した「大英博物館グレート・コート」、アイコン建築の走り「スイス・リ本社ビル」など、多種多様な建築作品が挙げられる。

また、1999年には建築界のノーベル賞といわれる「プリツカー賞」を受賞しており、名実ともに現代建築界を代表する建築家として、今もなお建築界の第一線で活躍している。

ノーマン・フォスターの代表作品6選

1.香港上海銀行・香港本店ビル

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  • 設計:ノーマン・フォスター
  • 住所:中国・香港
  • 竣工:1985年
  • 用途:オフィス
  • URL:建築詳細ページ

香港上海銀行・香港本店ビルは、HSBCホールディングスの傘下である「香港上海銀行」の本店として、1985年に香港の中西区に建設されたオフィスビルである。

1993年に本店機能はイギリス・ロンドンに移されたが、現在も香港を象徴するオフィスビルとして力強く佇んでいる。

建築全体は、構造材や設備などをファサードに表出させることでメカニックな外観を形成しており、ハイテク建築という名にふさわしい革新的な構成となっている。

ノーマン・フォスターの手がけた作品の中でも、香港上海銀行・香港本店ビルは、初期の代表作として知られると共に、ハイテク建築の象徴的存在としても知られている。

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2.大英博物館グレート・コート

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  • 設計:ノーマン・フォスター
  • 住所:イギリス・ロンドン
  • 竣工:2000年
  • 用途:博物館
  • URL:建築詳細ページ

大英博物館グレート・コートは、世界三大博物館の一つとして知られる「大英博物館」の中庭広場部分を指す名称である。

この広場は元々、新古典主義建築の代表作として知られる大英博物館の中庭として展開されていた空間ではあったが、そこには大英図書館の書庫や閲覧室などが散在し、混沌とした空間になってしまっていた。

しかし、2000年にその図書館機能を一掃し、機能を整理したうえで、中庭全体にガラス屋根を架け内部空間化するという大胆な改修が行われた。

古代ギリシアの建築様式を模した新古典主義の建物と、その建物の中央を覆いつくす現代的なガラスの屋根による、新旧の対比が魅力的な建築作品がここに生み出されたのである。

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3.30セント・メリー・アクス(ガーキン)

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  • 設計:ノーマン・フォスター
  • 住所:イギリス・ロンドン
  • 竣工:2003年
  • 用途:オフィス
  • URL:建築詳細ページ

30セント・メリー・アクスは、イギリスロンドンの金融中心地である「シティ・オブ・ロンドン」のシンボルになっている、高さ約180mを誇る超高層オフィスビル建築である。

セント・メリー・アクス通り30番地に建つビルであることが名前の由来になっているが、その他にも、建物形状がキュウリに見えることから「ガーキン(小さいキュウリ)」という愛称で呼ばれることもある。

フォスター建築らしい、ハイテク建築的な外観を形成しているガーキンは、20世紀末ごろから世界中で増加し始めた「アイコン建築」の象徴的存在としても知られるようになる。

一方で、その特異さ故に外観ばかりが言及されがちだが、フォスターはガーキンにおいて、ビル風緩和や光熱費の削減、労働環境の最適化など、環境にも配慮した設計を行っていることは見落としてはいけない事実である。

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4.ロンドン市庁舎(シティ・ホール・ロンドン)

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  • 竣工:ノーマン・フォスター
  • 住所:イギリス・ロンドン
  • 竣工:2002年
  • 用途:庁舎
  • URL:建築詳細ページ

ロンドン市庁舎(シティ・ホール・ロンドン)は、イギリス及びイングランドの首都・ロンドンにおける、最上位の地方自治体「大ロンドン庁」の本部として、2002年に建設された庁舎建築である。

この庁舎は、ロンドンと海を結ぶテムズ川の流域に位置しており、ロンドン最大の観光スポット「タワーブリッジ」がすぐ近くに佇んでいる。

スライスしたゆで卵を少しずつずらしたかのような独特な形態をしているロンドン市庁舎は、ロンドンのランドマークとして、多くの人々に親しまれている。

また、ガラス張りで透明性の高い建物の内部には、長さ500mにも及ぶ螺旋階段が展開されており、有機的な内部空間を形成している。

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5.センチュリータワー

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  • 設計:ノーマン・フォスター+大林組
  • 住所:東京都文京区本郷2-2
  • 竣工:1991年4月
  • 用途:大学施設(現・オフィスビル)
  • URL:建築詳細ページ

センチュリータワーは、1991年に東京都文京区の神田川沿いに建てられた超高層オフィスビル建築である。(現在は順天堂大学の11号館として利用されている)

地上21階、高さは約91mを誇り、文京区で最初に建てられた超高層建築としても知られている。

ノーマン・フォスター初期のスタイルが顕著に表れたハイテク建築となっており、構造体がファサードに表出したメカニカルな外観は、彼の出世作である「香港上海銀行・香港本店ビル」を彷彿とさせる。

日本に存在する、数少ないノーマン・フォスター建築である。

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6.鎌倉歴史文化交流館

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  • 設計:ノーマン・フォスター
  • 住所:神奈川県鎌倉市扇ガ谷
  • 竣工:2004年
  • 用途:博物館
  • URL:公式ページ

鎌倉歴史文化交流館は、鎌倉で発掘された出土品を中心に、鎌倉に関する歴史などを紹介する施設として、2017年に開館した博物館である。

本博物館は、ノーマン・フォスターが過去に手がけた住宅建築を改修し、博物館へと転用する形で開館している。

建築全体は、分厚い石壁が何枚も平行に並べられ、その間に内部空間が設けられたリニアな構成となっている。

日本でも数少ないノーマンフォスター建築であり、しかも元々は住宅として建てられた建築物である。
世界的建築家であるフォスターが設計した住宅というだけでも訪れる価値のある作品だろう。

ノーマン・フォスターの関連書籍

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