みなさんこんにちは、本サイト「建築LIFE」を運営しているたけです。
今回は、香港に建つ超高層ビル「香港上海銀行・香港本店ビル」の建築的特徴について解説していきたいと思います。
ノーマン・フォスター初期の代表作として知られる、ハイテク建築です。
是非最後までご覧ください。
香港上海銀行・香港本店ビルとは?
- 設計:ノーマン・フォスター
- 住所:中国・香港
- 竣工:1985年
- 用途:オフィス
香港上海銀行・香港本店ビルは、HSBCホールディングスの傘下である「香港上海銀行」の本店として、1985年に香港の中西区に建設されたオフィスビルである。
1993年に本店機能はイギリス・ロンドンに移されたが、現在も香港を象徴するオフィスビルとして力強く佇んでいる。
建築の設計は、ハイテク建築の先駆者として知られるイギリスの建築家「ノーマン・フォスター」が担当。
建築全体は、構造材や設備などをファサードに表出させることでメカニックな外観を形成しており、ハイテク建築という名にふさわしい革新的な構成となっている。
ノーマン・フォスターの手がけた作品の中でも、香港上海銀行・香港本店ビルは、初期の代表作として知られると共に、ハイテク建築の象徴的存在としても知られている。
香港上海銀行・香港本店ビルの建築的特徴
香港に建つ高層オフィスビル
香港上海銀行・香港本店ビルはその名の通り、香港上海銀行の本店として、香港の首都ともいえる中西区に建設された超高層ビルである。
高さは約180mの44階建てとなっており、竣工当時は香港最大規模の超高層建築であった。
さらに、超高層ビルで初めて「吊り構造」を用いた建築物としても知られており、当時の最先端技術を結集した革新的な建築作品であった。
ノーマン・フォスター初期の代表作
香港上海銀行・香港本店ビルの設計を務めたのは、イギリスの建築家「ノーマン・フォスター」。
ノーマン・フォスターは、1970年代に登場した建築様式「ハイテク建築」の草分けとして知られる建築家であり、今もなお現代建築界を牽引する世界的建築家である。
そんなフォスターの初期の代表作である香港上海銀行ビルは、ハイテク建築家としての彼の名声を高めた作品として知られている。
ハイテク建築のシンボル的存在
ハイテク建築とは、建築界がモダニズムからポストモダンへと変遷する最中に生まれた、革新的な建築様式である。
モダニズムは、合理性のみを追求して作られる「機械」をモチーフとして機能主義を発展させていったが、その機械というモチーフを意匠にまで用い始めたのがハイテク建築となる。
そのため、ハイテク建築と呼ばれる建築には、今まで建物の奥深くに隠してきた構造材や設備などの機械的な要素を、あえてファサードに表出させるといった意匠上の特徴がみられる。
風水を考慮したピロティ空間
香港上海銀行・香港本店ビルの1階部分は、全面的にピロティ空間として展開されている。
このピロティ空間は、風水的な意味合いで設けられたもので、「龍の道」を遮らないための構成であるという。
一方で、風水の話は置いておいても、ピロティ空間によって都市と建築の間に緩やかなつながりが生み出されており、人々が集う豊かな空間が形成されていることは見逃すことのできない事実となっている。
10層吹き抜けのアトリウム空間
1階のピロティの上部には、10層吹き抜けの圧倒的なアトリウム空間が展開されている。
外観のメカニックなファサードが特徴的な建物であるため、内部空間は忘れられがちだが、ファサードに引けを取らないほどのダイナミックな内部空間が存在することは覚えておきたい。
ノーマン・フォスターの代表作
ノーマン・フォスターの関連書籍
今回はこれで以上になります。
最後までご覧いただきありがとうございました。