【建築解説】北九州市立美術館|磯崎新

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みなさんこんにちは、本サイト「建築LIFE」を運営しているたけです。

今回は、磯崎新初期の代表作にして最高傑作「北九州市立美術館」の建築的特徴について解説していきたいと思います。

映画のロケ地にも複数回なった有名建築です。

是非最後までご覧ください。

目次

北九州市立美術館の建築的特徴

小高い丘の上に建てられた公立美術館

福岡県北九州市の北部、緑豊かな小高い丘の上に北九州市立美術館は佇んでいる。

施設からは北九州市の街並みが一望できると共に、街の至る所からこの北九州市立美術館の姿は確認でき、街のランドマーク的な役割を果たしている。

郷土ゆかりの美術品を始めとして、近現代における優れた美術作品を数多く収蔵し、様々なコレクション展・企画展などを開催している。

磯崎新初期の代表作

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北九州市立美術館の設計は、日本を代表する世界的建築家「磯崎新」が担当した。

磯崎新初期の代表作としても知られており、幾何学形態を用いた構成や歴史主義建築から参照したシンメトリーの構成など、磯崎新建築の原点とも言うべき要素が散見される。

磯崎新の最高傑作という声も多く、建築好きからも人気の高い作品となっている。

大きく張り出す2本のチューブ

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北九州市立美術館の最大の特徴は、コンクリート基壇部の上に載る、2本のチューブ型ボリュームである。

まるで双眼鏡のように大きく前面に張り出したその外観から、北九州市立美術館には『丘の上の双眼鏡』という愛称もつけられている。

元々、建物全体を地中に埋め込む案も出ていたそうだが、今後この美術館が北九州市発展のランドマーク的存在になるようにという意図も込めて、このような2本のチューブを建物上部に設置する案を採用したという。

シンメトリーの構成

建築にランドマーク性を付与するだけなら、別に設置するチューブは1本でも良かったはずである。

しかし、磯崎新はチューブを2本設置して、建築にシンメトリー性を付与している。

これは、無意識による歴史的建造物の参照なのである。

1980年代以後、過去の歴史的様式の引用を標榜した「ポストモダニズム建築」の旗手として有名になる磯崎新。その片鱗が、この北九州市立美術館に現れているのではないだろうか。

『デスノート』や『図書館戦争』のロケ地にも

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