皆さんこんにちは、当サイト「建築LIFE」を運営しているたけと言います。
今回は、岩手県内にある魅力的な美術館建築・博物館建築8選をご紹介したいと思います。
実は、岩手県には内藤廣や黒川紀章、古谷誠章など、建築界の第一線で活躍する著名な建築家が設計した美術館・博物館建築が数多く存在します。
本記事では、そのあたりの有名建築家の作品をもちろん、あまり知られていないマイナーな作品まで幅広くご紹介しているため、是非、岩手県で美術館・博物館巡りをする際には参考にしてみてください。
では早速本題に移ります。
岩手県の魅力的な美術館建築・博物館建築8選
1.高田松原津波復興祈念公園 国営追悼・祈念施設【内藤廣】
- 設計:内藤廣建築設計事務所・プレック研究所
- 竣工:2019年
- 用途:博物館 物販店舗
- 住所:岩手県陸前高田市気仙町土手影180番地
- URL:公式ページ
高田松原津波復興祈念公園 国営追悼・祈念施設は、東日本大震災からの復興の象徴となる祈念施設として、2019年・岩手県陸前高田市に建設された施設である。
設計を務めたのは、木材をふんだんに使用した建築作品を数多く手がけることで知られる建築家・内藤廣である。
本施設は、伝承館と道の駅の2つの機能からなっており、それらの機能が前面にある防潮堤と並行するように伸びる建築内に、左右に分けて配置されている。
そして、伝承館と道の駅の間の空間はぽっかりと孔が開いており、床面には水盤、天井面には開口部が設けられ、自然に囲われた豊かな空間を作り出している。
2.岩手銀行赤レンガ館【辰野金吾】




- 設計:辰野金吾
- 竣工:1911年
- 用途:銀行店舗
- 住所:岩手県盛岡市中ノ橋通一丁目2番20号
- URL:参考ページ
岩手銀行赤レンガ館は、1911年・岩手県盛岡市中ノ橋通一丁目に「盛岡銀行本店」として建設された銀行建築であり、現在は多目的ホールや展示施設として利用されている。
設計を務めたのは、「東京駅」や「日本銀行本店」など歴史主義建築を数多く手がけたことで知られる建築家・辰野金吾である。
建築としては、通称「辰野式」と言われる、赤レンガに白い花崗岩を帯状にめぐらせたデザインが特徴的で、代表作『東京駅』にも採用された辰野金吾お得意のデザインとなっている。
3.御所野縄文博物館【仙田満】
- 設計:仙田満
- 竣工:2002年
- 用途:博物館
- 住所:岩手県二戸郡一戸町岩館字御所野2
- URL:公式ページ
御所野縄文博物館は、岩手県・御所野にある史跡公園「御所野縄文公園」の中に建つ博物館建築である。
設計を務めたのは「石川県立図書館」や「マツダスタジアム」など数多くの公共建築を手掛けることで知られる建築家・仙田満だ。
仙田満はこの施設で、「博物館本体」と駐車場から博物館まで続く「木橋」の設計を行っている。
もちろん博物館建築も魅力であふれているが、ここでは象徴的な「木橋」について詳しく解説しておく。この木橋は、全長約80mの長さを持つ屋根付きの木造つり橋となっており、外形は一辺3.2mのダイヤモンド型をしている。
この長い木橋を通ることによって、現代から縄文時代へタイムスリップしてもらおうという意図を基に設計を行ったそう。
4.岩手県立博物館【佐藤武夫】




- 設計:佐藤武夫設計事務所
- 竣工:1980年
- 用途:博物館
- 住所:岩手県盛岡市上田字松屋敷34
- URL:公式ページ
岩手県立博物館は、岩手県の県制百年を記念して1980年に開館した総合博物館である。
設計を務めたのは、日本の大手組織設計事務所「佐藤総合計画」の生みの親である建築家・佐藤武夫だ。
本施設の全体像としては、箱型のシンプルな形態となっているが、一カ所だけ「大きなゲート」のようになった構造体が存在しており、このゲートは来場者を迎え入れる装置として機能している。
また、外壁には「窯変リブ付大型特焼きタイル」というものが打ち込まれており、これは南部赤松の幹を感じさせる色彩を持ち、周囲の自然環境に建築を調和させる効果をもたらす。
5.陸前高田市立博物館【内藤廣】




- 設計:内藤廣建築設計事務所
- 竣工:2021年
- 用途:博物館
- 住所:岩手県陸前高田市高田町字並杉300-1
- URL:公式ページ
陸前高田市立博物館は、東日本大震災により甚大な被害を受けた「旧・陸前高田市立博物館」と「海と貝のミュージアム」を合築する形で、2021年に新たに建設された博物館建築である。
設計を務めたのは、木材をふんだんに使用した建築作品を数多く手がけることで知られる建築家・内藤廣である。
建築としては、鉄筋コンクリート造のボリュームに「2枚の片流れ屋根」と「4周に回る庇」が絡みついた堀の深い構成が特徴的で、屋根の裏側には内藤建築らしく木材がふんだんに使用されている。
一方で、屋根の表面には落ち着きのある「チタン亜鉛合金版」が使用されており、この内外の印象の違いも内藤廣建築の特徴である。
6.アンバーホール【黒川紀章】




- 設計:黒川紀章建築都市設計事務所
- 竣工:1999年
- 用途:劇場(文化会館)
- 住所:岩手県久慈市川崎町17-1
- URL:公式ページ
アンバーホールは、岩手県久慈市に建つ、大小2つのホールを内包したコンサートホール建築である。
設計を務めたのは、メタボリズム理論を展開することで、日本建築界を牽引した世界的建築家・黒川紀章である。
この施設は、建物中央にそびえたった円錐形の構造物が特徴的だが、実は、黒川紀章は建築を設計する際「円錐型」を好んで使用することで知られており、彼の代表作「国立新美術館」でも円錐形が使用されている。
この施設において、ガラスの円錐型構造物の中には、エントランスホールと階段が配置されており、活動の起点となる役割を果たしている。
7.岩手県立美術館【日本設計】




- 設計:日本設計
- 竣工:2000年
- 用途:美術館
- 住所:岩手県盛岡市本宮字松幅12-3
- URL:公式ページ
岩手県立美術館は、萬鐵五郎・松本竣介・舟越保武など、岩手県にゆかりのある作家の作品を中心に収集・展示することを目的として、2000年に建設された公立美術館である。
設計を務めたのは、日本最大手の組織設計事務所・日本設計である。
本施設の前面には、円形状に広がる緑豊かな中央公園が存在しており、この円形公園の曲線に沿うように湾曲した空間「グランドギャラリー(写真1枚目)」本施設には設けられている。
このグランドギャラリーは、ロビーやラウンジ的な役割を果たしつつ、場合によっては作品を展示することも可能なフレキシブルな大空間となっている。
8.盛岡市子ども科学館【佐藤武夫】




- 設計:佐藤武夫設計事務所
- 竣工:1983年
- 用途:博物館
- 住所:岩手県盛岡市本宮蛇屋敷13−1
- URL:公式ページ
盛岡市子ども科学館は、楽しみながら科学を学ぶことのできる体験型科学館として、1983年・岩手県盛岡市に開館した博物館建築である。
設計を務めたのは、日本の大手組織設計事務所「佐藤総合計画」の生みの親である建築家・佐藤武夫だ。
建築としては、上空写真を見るとわかりやすいのだが、建物全体像としては、三角形の翼のような形態をしたボリュームの中央部分に、ドーム型のプラネタリウム空間が設置されており、その組み合わせがダイナミックな外観を形成している。
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