みなさんこんにちは、本サイト「建築LIFE」を運営しているたけです。
今回は、東京が誇る都市型公園・日比谷公園の東隣に位置する「帝国ホテル」の建築的特徴について解説していきたいと思います。
4代目の建設も予定されている歴史のある建築作品です。
是非最後までご覧ください。
帝国ホテル本館の概要
- 1890年 1代目帝国ホテル開業
- 1911年 日本初のランドリーサービス導入
- 1922年 ショッピングアーケード開設
- 1923年 2代目帝国ホテル開館
- 1923年 ホテル発のウェディングサービス開始
- 1970年 3代目帝国ホテル開館
- 2036年 4代目帝国ホテル開館予定
帝国ホテル本館は、ホテル御三家の一つとしても名高い洋式ホテル「帝国ホテル」の本館として日比谷公園の東隣に建つ宿泊施設である。
帝国ホテル本館の歴史は古く、現在建っている建築は3代目帝国ホテルだ。
歴代帝国ホテルの概要は以下の通りである。
- 1代目:1890年竣工(渡辺譲)
- 2代目:1923年竣工(フランク・ロイド・ライト)
- 3代目:1970年竣工(高橋貞太郎)
- 4代目:2036年竣工予定(田根剛)
上記の通り、現在建っている3代目帝国ホテルも老朽化などの原因から解体が決定しており、2036年に4代目帝国ホテが完成予定となっている。
今回は、上記に示した歴代帝国ホテルの建築的特徴について解説していきたいと思う。
帝国ホテル本館|歴代全4作品の建築的特徴を解説
1890年:1代目帝国ホテル【渡辺譲】
帝国ホテルが開業したのは1890年、約130年前のことだ。
開国以後、近代国家としての地位を確立しようとしていた日本の「迎賓館」として開業した帝国ホテルは、外交施設として日本近代化における重要な役割を果たした。
創業者の一人である「渋沢栄一」が初代会長を務め、開業以来19年に渡り経営の舵取りを行ったことでも知られている。
1代目帝国ホテルの設計は、ドイツで西洋建築を学んだ建築家「渡辺譲」が担当。
ネオ・ルネサンス様式・木骨煉瓦造の建築作品となっており、近代化を象徴するような西洋建築風のデザインを基に設計が行われた。
1923年:2代目帝国ホテル【フランク・ロイド・ライト】
初代帝国ホテルの老朽化や利用者増加に伴い、1923年に2代目帝国ホテル(ライト館)は建設された。
2代目帝国ホテルの設計者は、近代建築・三大巨匠の一人「フランク・ロイド・ライト」である。
鉄筋コンクリート+煉瓦コンクリートの複合構造で建設されたモダニズム建築として知られているが、内外装には大谷石やテラコッタといった様々な素材が使用され、モダニズム建築らしからぬ重厚感のある佇まいを作り出している。
また、初代帝国ホテルが竣工したのは1923年のことであるが、1923年と言えば関東大震災が日本に直撃した年である。
しかし、ライト館は関東大震災による被害をほとんど受けずにそこに鎮座していたため、その強靭さは伝説として建築界に受け継がれている。(諸説ある)
そういった経緯から、ライト館は1968年に解体されたのちに、建物の一部を愛知県犬山市の「明治村」に移築再建するなど、異例の取り組みが行われている。
建築詳細ページ
1970年:3代目帝国ホテル【高橋貞太郎】
ライト館が老朽化などの原因から解体されたのち、1970年に新たに建設されたのが3代目帝国ホテルとなる。
東京の一等地に建つホテルであるため、この建て替えを機に、270のみであった客室をいっきに772まで増加させている。
フランク・ロイド・ライトによる2代目帝国ホテルに代わる建物という、責任重大な設計を担当したのは、数多くのホテル建築を手掛けてきた建築家「高橋貞太郎」である。
建築全体は、上空から見ると十字型平面という特殊な形態をしたタワー建築となっている。
このように、歴代の帝国ホテル建築を順番に見ていくと、建築はその時代における流行や社会情勢に強く影響をされていることが一目でわかる。
2036年:4代目帝国ホテル【田根剛】
2023年現在建っている3代目帝国ホテルも新しく生まれ変わろうとしている。
2036年、4代目帝国ホテルへの建て替えが計画されているのである。
4代目帝国ホテルの設計は、「エストニア国立博物館」で鮮烈なデビューを果たした建築家・田根剛が務める。
上のイメージパースはまだ検討段階のものであるため、今後様々な変更が加えられる可能性があるが、4代目帝国ホテルはまるで神殿のようなタワー建築に生まれ変わるようだ。
楽しみである。
日比谷の有名建築物
今回はこれで以上になります。
最後までご覧いただきありがとうございました。