【建築解説】枚方T-SITE|竹中工務店

みなさんこんにちは、本サイト「建築LIFE」を運営しているたけです。

今回は、大阪府枚方市に建つ「枚方T-SITE」の建築的特徴を解説していきたいと思います。

是非最後までご覧ください。

目次

枚方T-SITEとは?

photo by Tokumeigakarinoaoshima/CC 表示-継承 4.0

枚方T-SITEは、大阪府枚方市の枚方市駅前に建つ、蔦屋書店を中核とする大型商業施設である。

建築の設計は、日本のスーパーゼネコン「竹中工務店」の設計部が実施。

建築全体は、直方体のチューブ状ボリュームを交差させる形で積み上げた「ジェンガ」のような形態となっており、枚方駅のシンボル的な存在ともなっている。

建築詳細に関しては、以下で解説する。

設計者:竹中工務店とは?

photo by Kakidai/CC 表示-継承 4.0
  • 1610年 初代竹中藤兵衛正高名古屋で創業
  • 1909年 合名会社竹中工務店を設
  • 1923年 本店を大阪に移す
  • 1937年 株式会社竹中工務店設立

竹中工務店は、日本のスーパーゼネコン5社の一角をなす、大手総合建設会社である。

スーパーゼネコンと言うと、施工業務のイメージが強いかもしれないが、自社内に設計部が設置されており、設計から施工まで建築の全工程を一括して行う場合もある。

代表作としては「WITH HARAJUKU」「東急プラザ表参道原宿」などが挙げられる。

近年では、木材を使用した木造建築・木質建築にも力を入れており、2025年には日本橋に国内最高層となる木造高層建築物なども竣工する予定となっている。

枚方T-SITEの建築的特徴

枚方市駅前広場に面する再々開発ビル

枚方T-SITEは上の写真の通り、枚方市駅の駅前ロータリーに面する位置に建てられている。

また、駅舎や周囲のビルとはペデストリアンデッキ(高架上の歩道)によって接続されており、駅前全体が一体となりながら賑やかな都市を形成している。

元々、枚方T-SITEが建っていた敷地には、1975年の枚方市駅前の再開発の際に、再開発ビルが建てられていたのだが、そのビルのさらなる建て替え計画として建設されたのが枚方T-SITEになる。

つまり「再々開発ビル」というわけだ。

ジェンガのように積まれた直方体ボリューム

photo by Tokumeigakarinoaoshima/CC 表示-継承 4.0

枚方T-SITEは何といっても、ジェンガのように直方体ボリュームが積み重ねられた外観が象徴的である。

このようなパターンの組み合わせは、単に外観にシンボル性を付加するだけにとどまらず、施設内部に多様な空間を生み出す効果ももたらしている。

また、直方体同士が交差することで生まれた外部空間は、レストランのテラス席などとしても活用されており、内部のアクティビティがファサードに表出し、駅前にさらなる活気をもたらしている。

本と街に囲われた吹き抜け空間

photo by Dick Thomas Johnson/CC 表示 2.0

施設内部には、上の写真のように壁面全体が本棚で囲われた、豊かな吹き抜け空間が形成されている。

さらに、直方体ボリュームの先端部分は大きなガラス張りとなっている。

この大きなガラス面によって、昼間は駅前の活動がT-SITE内部に影響を与えつつ、一転して夜になると内部の活動が外部に漏れだす。

街のリビングのような施設

photo by Dick Thomas Johnson/CC 表示 2.0

本施設は「街のリビング」というコンセプトを基に設計が行われている。

つまり、まるで家のリビングのように市民がくつろげる空間を作り出そうという事である。

このコンセプトが実現しているかどうかは、実際に枚方T-SITEを訪れてみるとわかるだろう。

建築概要

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