みなさんこんにちは、本サイト「建築LIFE」を運営しているたけです。
今回は、日比谷公園内に建つ図書施設「日比谷図書文化館」の歴史や建築的特徴などを解説していきたいと思います。
正三角形平面をした特異な建築物です。
是非最後までご覧ください。
日比谷図書文化館の概要

日比谷図書文化館は、図書館をメインとしてカフェ・レストラン・展示室などを併設する東京都・日比谷公園内に建つ文化施設である。
建築の設計は、東京建築局(現・東京建設局)が担当。
正三角形の平面形状や水平性の高い構成などが特徴的な建築物で、モダニズムの代表作としても知られる。
元々は、地上3階建ての建物だったが、4階部分の増築や耐震補強、改修などを経て、現在の姿に至っている。
設計者:東京都建設局とは?
東京都建設局は、東京都組織条例に基づいて東京都に置かれている局の一つだ。
業務としては、東京都内の道路・河川・公園等の整備や管理などを行っている。
日比谷図書文化館は、都立日比谷公園内に敷地を持つ施設という事で、東京都建設局が日比谷公園の整備の一環として設計を行ったようだ。
日比谷図書文化館の建築的特徴
日比谷公園内に建つ図書館

日比谷図書文化館はその名の通り、東京都千代田区が誇る緑豊かな都立公園・日比谷公園内に建つ図書施設である。
日比谷公園の南端に位置しているため、施設北側には緑豊かな自然が広がる一方で、南側には国会通りや高層ビルなどが立ち並んでいる。
そんな、特異な敷地に建つ日比谷図書文化館(1957年)だが、その前身となる建物は1908年に開館している。
東京大空襲で失われた前身・日比谷図書館

日比谷図書文化館の前身は、1908年に開館した「東京市立日比谷図書館」である。
この建築は、1923年に発生した関東大震災では最小限の被害で免れたのだが、1945年の東京大空襲の際に全焼してしまい、代わりとなる新館として現在の日比谷図書文化館が建設された。
前身の東京市立日比谷図書館は、明治時代に活躍した建築家・三橋四郎が設計を務め、当時日本でも流行していたアールヌーボー様式が採用されていた。
正三角形平面を持ったモダニズム建築

1957年に新設された現在の日比谷図書文化館は、正三角形平面をした鋭い形態をしている。
これは、日比谷公園の区画整理的に敷地がこのような三角形状になってしまったことが原因なのだが、結果的に日比谷図書文化館を印象的なものにしているため、結果オーライだろう。
また、本施設は水平ラインが際立った構成や水平連続窓、ピロティ空間など、モダニズムを象徴づける特徴が随所にみられる。
2006年にはDOCOMOMO JAPANによって「日本におけるモダン・ムーブメントの建築」にも選ばれているため、モダニズム建築の代表作ともいうことができる。
角に設けられた玄関口「隅入り」

日比谷図書文化館のエントランスは三角形の角部分に設けられている。
この、角を玄関口にするという手法のことを「隅入り」と言い、シンメトリーよりもアシンメトリー、正面性よりも非正面性を好む日本ならではの設計手法である。
槇文彦の代表作「ヒルサイドテラス」などで顕著にみられる手法でもある。
円形のカフェ&ショップ

三角形の一つの角の1階部分には、上の写真のように円形のボリュームが貫入されている。
この内部はカフェ&ショップ空間となっており、緑豊かな自然環境のそばで一休みができる魅力的な空間が形成されている。
三角形と円形という、幾何学の組み合わせも面白い。
隣接する日比谷公会堂

日比谷図書文化館のすぐ隣、東隣には「日比谷公会堂・市政会館」が建っている。
この建物は、公会堂と市政会館を併設した施設で、日本で最初期に建てられたコンサートホール施設としても有名である。
建築の設計は、早稲田大学・建築科の創始者としても知られる「佐藤功一」が担当。
日比谷図書文化館を訪れる際には、一緒に注目しておきたい建築物である。
日比谷公会堂の特徴

日比谷公園周辺の有名建築物

今回はこれで以上になります。
最後までご覧いただきありがとうございました。