建築

EPFL ArtLab【隈研吾】

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photo by EPFL/CC 表示 4.0
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EPFL ArtLabとは?

EPFL ArtLabは、スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)の新しいキャンパス施設である。

スイス連邦工科大学

スイス連邦工科大学は、スイスにある工科系の大学であり、ローザンヌ校とチューリッヒ校の2つが存在する。

チューリッヒ校は、毎年世界大学ランキングでTOP10入りし、ヨーロッパでトップの大学になっている。ローザンヌ校も毎年50位以内にランクインしている。

設計を務めたのは、最近話題の建築家隈研吾

細長い敷地や周辺の環境に合わせ、全長270mに及ぶ細長い木造建築を作り出した。

たけひこ
たけひこ

そんな、EPFL ArtLabの特徴をご紹介します!!

隈研吾とは?

  • 1954 横浜に生まれる
  • 1979 東京大学大学院修了
  • 1979 日本設計就職
  • 1990 隈研吾建築都市設計事務所設立
  • 1997 日本建築学会賞作品賞受賞
  • 2009 東京大学教授に就任

隈研吾は、木材をふんだんに使用した日本的な建築を数多く手がける建築家である。

代表作としては、「高輪ゲートウェイ駅」「根津美術館」「スターバックス中目黒」などが挙げられる。

最近では、2021年に開催された東京オリンピックのメインスタジアム「国立競技場」を手掛けたことでも話題となった。

建築の特徴

EPFL ArtLabの建築的特徴としては、次のような点が挙げられる。

  1. EPFLの新しいキャンパス
  2. 3つに分かれた全長270mの建物
  3. スイスの「家」をイメージした外観
  4. 集成材と鉄板による複合構造
  5. 敷地に合わせてねじれる屋根
  6. 屋根形状が現れた内部空間

EPFLの新しいキャンパス

スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)は、スイスとフランスの境界部に広がる「レマン湖」沿いに位置する大学である。

上の写真の構図としては次のようになっている。

  • 右:EPFL ArtLab(隈研吾)
  • 左:ロレックスラーニングセンター(SANAA)
  • 奥:レマン湖とアルプス山脈

左に建つ丘のような建物は、日本の建築家ユニットSANAAが設計した「ロレックスラーニングセンター」という施設である。

3つに分かれた全長270mの建物

本施設は、全長約270mの細長い構成をしているが、建物には2つのあなが貫通し、内部空間が3つのブロックに分割されている。

この孔という概念は、隈研吾氏がよく建築に用いる構成であり、代表作「那珂川町馬頭広重美術館」でも取り入れられている。

この孔が設けることで、流動的な「風の流れ」、回遊的な「人の流れ」を作り出している。

那珂川町馬頭広重美術館

那珂川町馬頭広重美術館は、栃木県に建つ歌川広重の作品を収めた美術館である。

竣工したのは2000年。

この建物を境に隈研吾氏のデザインの方向性が変化し、現在の木材を多用したスタイルになったともいわれる。

スイスの「家」をイメージした外観

本施設は、スイスの木造住宅を参考に、一般的な住宅で用いられる「スレート」の屋根と、「ラーチ材」という外装材によって構成される。

スレートとは?
住宅のスレート屋根

スレートとは、日本住宅の屋根によく用いられる、粘板岩を薄い板状にした材料である。

  • 重量が軽い
  • 耐震性が高い
  • 価格が安い

などのメリットがある。

「ラーチ材」は針葉樹合板ともいい、からまつの板を繊維方向が交差するように重ね合わせた板材である。

EPFL ArtLabのラーチ材は、あらかじめ風化させておくことで、年月が経過しても建物の雰囲気が崩れないように工夫されている。

集成材と鉄板による複合構造

上の写真は、独特なオブジェに目が行くが、注目していただきたいのは、その後ろに見える柱や梁などの構造体である。

この構造体は、「集成材という木材」と「孔の開いた鉄板」によるコンポジット(複合)構造となっている。

鉄板に開いた直径4㎜の孔は、木の質感を外観や内観に可能な限り強く表現するために設けられている。

敷地に合わせてねじれる屋根

本施設を印象付けるねじれたような大屋根は、特殊な境界条件に合わせて変形されている。

屋根の裏面はラーチパネルという木材で仕上げられているため、暖かみのある豊かな空間が屋根の下に形成されている。

屋根形状が現れた内部空間

EPFL ArtLabの内部空間には、住宅的な屋根の形態がそのまま表現されている。

さらに、この天井にも柱などと同様に木材が使用されているため、内部にある展示空間に暖かみを作り出している。

建築概要

  • 所在地:スイス,ローザンヌ
  • 竣工 :2016年8月
  • 用途 :ミュージアム
  • 構造 :コンポジット構造(集成材+鉄板)
  • 階数 :地下1階 地上2階
  • 高さ :9.5m
  • 設計 :隈研吾建築都市設計事務所
  • 構造 :江尻建築構造設計事務所
  • 設備 :L’Observatoire Internationale
  • 施工 :Marti Construction SA

施設概要

最後に・・・

以上がEPFL ArtLabの特徴でした。

日本的雰囲気を持つ構成と、集成材と有孔鉄板による暖かみのある構造体が特徴的な建築でした。

たけひこ
たけひこ

スイスを訪れる際は是非、EPFL ArtLabに立ち寄ってみてください!!

ご覧いただきありがとうございました。

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