みなさんこんにちは、本サイト「建築LIFE」を運営しているたけです。
今回は、東京・池袋に建つ複合文化施設「東京芸術劇場」の建築的特徴を解説していきたいと思います。
池袋の象徴的存在にもなっている建築物です。
是非最後までご覧ください。
東京芸術劇場の概要

東京芸術劇場は、大小4つのホールやカフェ・レストランなど複数の機能を内包する、東京・池袋の地に建つ複合文化施設である。
建築の設計は、昭和期を代表する建築家「芦原義信」が担当。
この建築最大の特徴はなんといっても、前面広場側に面する形で設けられている「大規模ガラスアトリウム空間」である。
求心力のある外観もさることながら、内部に展開される光であふれる大空間も魅力的な建築作品となっている。
設計者:芦原義信とは?
↓芦原義信の息子「芦原太郎」が芦原義信について解説している動画
- 1918 東京都に生まれる
- 1942 東京帝国大学工学部建築学科卒業
- 1945 坂倉準三の事務所に入所
- 1953 ハーバード大学大学院で修士号を取得
- 1956 芦原建築設計研究所設立
芦原義信は、劇場や博物館など、多くの大規模公共建築を手掛けてきた、昭和期を代表する建築家である。
代表作としては「東京芸術劇場」や「国立歴史民俗博物館」などが挙げられ、日本を代表する建築物を複数手掛けている。
さらに、芦原義信が60歳の時に刊行した『街並みの美学』では、建物本体だけでなく「都市景観をふまえた上での建築の在り方の重要性」を戦後の日本でいち早く述べており、建築界に大きな影響をもたらた。
東京芸術劇場の建築的特徴
鋭く求心力のあるガラス建築

東京芸術劇場はなんといっても、その鋭い求心力のあるガラスのファサードが象徴的である。
このガラスの中は、柱のない大きなアトリウム空間となっており、前面広場と連動する豊かなエントランスを形成している。
また、ガラスだけでファサードを構成するのではなく、下層部に水平性の高いコンクリートの部分を設けることで、よりスタイリッシュな外観を作り出しているあたりはさすが芦原義信といったところだろうか。
すべてのホールの基点となるガラスアトリウム空間

本施設は、前面広場に面する位置にガラスのアトリウム空間、そしてそのアトリウムの奥に各ホール空間が配置された全体構成となっている。
つまり、すべてのホールには、一度このガラスアトリウム空間を介してアプローチするという動線計画になっているわけである。
そのため、自然とこのガラスアトリウムには様々な人々が集まり、賑やかな空間が作り出される。
「昼」は内部に光を「夜」は外部に光をもたらす建築

昼間は、太陽の光を透過することで明るい内部空間を作り出す東京芸術劇場であるが、夜になるとその関係性は逆転する。
上の写真の通り、夜になると内部の光がガラスを通して外部に漏れだし、池袋の街を優しく照らし出す。
この昼と夜の対比的イメージも、東京芸術劇場の魅力の一つとなっている。
東京芸術劇場と連動する「GLOBAL RING」

東京芸術劇場の東隣には、上の写真の通り「GLOBAL RING」と呼ばれるリング状の構造物を持った広場が広がっており、東京芸術劇場と連動しながら豊かな都市空間を形成している。
少し前までこの広場には大きな「丸池」が存在していただけだったのだが、2020年ごろに上空にリング状の構造物が建設され、その下には舞台棟やカフェ棟が配置された。
この施設によって、池袋の街により一層の活気と一体性が生まれたことは言うまでもないだろう。
GLOBAL RINGの建築詳細ページ

池袋の有名建築物

今回はこれで以上になります。
最後までご覧いただきありがとうございました。