サニーヒルズとは?
- 設計 :隈研吾
- 所在地:東京都港区南青山3-10-20
- 竣工 :2013年12月
- 用途 :店舗(物販)
- 構造 :鉄筋コンクリート造 一部木造
- 階数 :地下1階 地上2階 塔屋3階
- 高さ :8.820m
サニーヒルズとは、東京南青山という大都会の裏道に突如として現れる、特徴的な外観を持つパイナップルケーキのお店である。
設計者は、国立競技場や高輪ゲートウェイを手掛けたことで有名な隈研吾さんであり、サニーヒルズのように木材を利用した建築で有名である。
サニーヒルズの特徴は、「地獄組み」といわれる日本の伝統的な木組みによるインパクトのある外観である。
隈研吾とは?
- 1954 横浜に生まれる
- 1979 東京大学大学院修了
- 1979 日本設計就職
- 1990 隈研吾建築都市設計事務所設立
- 1997 日本建築学会賞作品賞受賞
- 2009 東京大学教授に就任
隈研吾とは、木材をふんだんに使用した和風建築を数多く手がけることで知られている、日本を代表する建築家である。
代表作としては、国立競技場・那珂川町馬頭広重美術館・浅草文化観光センターなどが挙げられ、どの建築にも必ずと言っていいほど木材が使用されている。
街中で、木のルーバーや木のパネルがくっついた建築物を見かけたら、高い確率で隈研吾が設計した建築作品だと思っていいだろう。(笑)
最近の隈研吾建築は、木材を建物に貼り付けただけのような、安っぽいものも多くなってしまっている感じがするが、定期的に周囲を圧倒するような作品も手掛けるため、油断は禁物である。
建築の特徴
ヒノキによる「地獄組」
地獄組とは、障子などの和風建具などに用いられる伝統的な木組みの技法である。
一般的な木組みは、木材の片面のみに溝を掘って組み合わせる。
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地獄組は、溝を両面交互に掘って組み合わせる。
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サニーヒルズは、地獄組をさらに発展させ、斜めに切り抜いて三次元に重ねている。
地獄組の名前の由来は、一度組むとなかなか外れないことからきているようである。
地獄組を斜めにし、さらに線材を足すことにいよって3次元へと拡張したことで、サニーヒルズの新しい木構造のシステムが完成している。
「都市の中の森」をイメージした外観
サニーヒルズは、南青山という都市の中にある建築であるが、ヒノキを「地獄組」によって組んだ構成によって「都市の中の森」という機能を成している。
地獄組による外観はパイナップルにも見えます!!
森の中のような内部空間
サニーヒルズの内観にも「地獄組」によるファサードの影響が及んでいる。
複雑な木組みによって内側には、森の木漏れ日のような空間ができ本当に森に迷い込んだかのような体験ができる。
さらに、サニーヒルズではパイナップルケーキの試食ができるが、このような木漏れ日のあふれる木に囲まれた空間での試食はとても魅力的な体験となるだろう。
最後に・・・
以上が東京南青山の裏道に建つ、「都市の中の森」をイメージしたパイナップルケーキ屋さん、サニーヒルズでした。
「地獄組」による木漏れ日のあふれる空間が魅力的な作品だったと思います。この日本の伝統的なものを現代風に作り変えることが隈研吾さんの建築らしいと思いました。
ご覧いただきありがとうございます!!