【建築紹介12】スターバックス太宰府天満宮表参道店:隈研吾

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スターバックス太宰府天満宮表参道店とは?

  • 設計 :隈研吾
  • 所在地:福岡県太宰府市宰府3-2-43
  • 竣工 :2011.11
  • 用途 :飲食店
  • 構造 :鉄骨造 木造
  • 階数 :地上1階
  • 高さ :5.06m

スターバックス太宰府天満宮表参道店は、国立競技場やサニーヒルズなど木材をふんだんに使った作品で有名な建築家、隈研吾が設計した建築作品である。

太宰府天満宮という歴史のある敷地に対して、景観や雰囲気を壊さないように配慮したスターバックスが計画された。

建築の特徴としては、奥側に細長い敷地に対して、光や風が流れるていくように、木材を斜めに組んでいきシームレスに奥まで続く空間が出来上がっている。

隈研吾とは?

photo by Strelka Institute for Media/CC 表示 2.0
  • 1954 横浜に生まれる
  • 1979 東京大学大学院修了
  • 1979 日本設計就職
  • 1990 隈研吾建築都市設計事務所設立
  • 1997 日本建築学会賞作品賞受賞
  • 2009 東京大学教授に就任

隈研吾とは、木材をふんだんに使用した和風建築を数多く手がけることで知られている、日本を代表する建築家である。

代表作としては、国立競技場那珂川町馬頭広重美術館浅草文化観光センターなどが挙げられ、どの建築にも必ずと言っていいほど木材が使用されている。

街中で、木のルーバーや木のパネルがくっついた建築物を見かけたら、高い確率で隈研吾が設計した建築作品だと思っていいだろう。(笑)

最近の隈研吾建築は、木材を建物に貼り付けただけのような、安っぽいものも多くなってしまっている感じがするが、定期的に周囲を圧倒するような作品も手掛けるため、油断は禁物である。

建築の特徴

前庭と奥庭に挟まれた空間

敷地は細長い形状であり、奥行きが約40mにも及ぶ。

そのことを考慮して光や風が通り抜けられるイメージとして突き当りに奥庭が設けられている。

この奥庭には、太宰府天満宮のシンボルである梅の木が植えられていて、自然を感じられる屋内空間が作り出されている。

木組みがもれだす有機的入口

太宰府天満宮スターバックスの最も特徴的な点である木組みであるが、その木組みがガラスを通り抜け外部にまで出てきている。

この構成によって、人々の興味・関心をひきつつ、光や風の流れを意識させるような正面のファサードが作り出されている。

自然素材による伝統と現代の融合

内観の特徴は、壁と天井を覆っている伝統的な木組みによる温かい空間である。

設計のコンセプトは「自然素材による伝統と現代の融合」の実現であり、伝統的な木組みを斜めに組むという現代的な操作によって有機的な空間を作り出している。

釘を使わずに組まれた木組み

上の写真は、スターバックス太宰府天満宮の壁を取り払って、木組みのみを残した模型の写真であるが、これを見ると人の流れ、光や風の流れが見えてくるような構成であることがわかる。

木組みの材料はスギ材であり、約2000本、4kmに及ぶ木材が、釘を1本も使わないで組まれている。

さらに木組みは筋交いとしての役割も果たしているため、構造的にも強固な建築となっている。

最後に・・・

以上がスターバックス太宰府天満宮表参道店の建築的特徴でした!!

伝統的な木組みが現代風にアレンジされ、人々だけではなく、光や風などの自然すらも引き付けるような豊かな建築であったと思います。

この木組みを縦組んだような建築であるサニーヒルズという隈研吾さんの作品もあるため、是非こちらもご覧ください!!

ご覧いただきありがとうございます!!

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