沖縄県の有名建築物10選【隈研吾・高松伸・前川國男など】

こんにちは、たけです。

今回は、沖縄県の有名建築物10選をご紹介します。

隈研吾・高松伸・前川國男といった有名建築家が設計した建築物を多数紹介しているので、是非最後までご覧ください。

では早速本題に入ります。

目次

沖縄県の有名建築物10選【隈研吾・高松伸・前川國男など】

1.名護市庁舎【象設計集団】

photo by Waei/CC 表示-継承 3.0

名護市庁舎は、象設計集団の代表作としても知られる、沖縄県名護市に建つ市役所である。

建築としては、2色のコンクリートブロックで構成された「立体格子状の形態」が象徴的な外観を形成。

さらに、広場に面した立体格子部分などは「半屋外空間」になっており、「広場→テラス→ロビー→事務室」とシームレスに内と外をつなぐ構成も魅力の一つとなっている。

その他にも、屋根に土を敷くことで断熱効果を得たり、ルーバーで遮光をするなど、沖縄の気候に対応するための工夫がいくつも施されている。

2.浦添市美術館【内井昭蔵】

photo by 663highland/CC 表示 2.5

浦添美術館は、日本初の「漆芸専門美術館」として沖縄県浦添市に建設された公立美術館である。

琉球漆器を中心として、絵画や焼物など、延べ2000点に及ぶ美術作品を収蔵しており、工芸教室などのイベントも年に数回行われている。

建築の設計は、戦後の日本建築界を代表する建築家「内井昭蔵」が担当し。

施設全体としては、8つの「八角形のドーム屋根を持つ小塔」と、1つの「八景型のドーム屋根を持つ大塔」の計9つの塔が中庭を囲うように配置されており、大塔にはメインホール、小塔には展示室という機能が付加されている。

さらにこの施設は、9つの塔と中庭の間に「回廊」がぐるぐると巡らされており、シークエンシャルな回遊体験ができるのも魅力の一つだ。

3.国立劇場おきなわ【高松伸】

国立劇場おきなわは、沖縄伝統芸能の保存振興を主目的として建設された国立劇場である。

建築の設計は、島根県出身の建築家「高松伸」が担当。

建築としては、沖縄の伝統的な竹垣「チニブ」をモチーフにしたという、プレキャストコンクリートでできた重厚感のある構成が象徴的な外観を形成している。

また、屋根には琉球瓦や琉球石灰岩を用いるなど、施設全体として琉球時代の家屋を連想させるようなデザインが取り入れられており、沖縄という風土に適した施設となっている。

4.石垣市民会館【前川國男】

  • 設計:前川國男
  • 住所:沖縄県石垣市浜崎町
  • 竣工:1986年
  • 用途:劇場(多目的ホール)
  • URL:公式ページ

石垣市民会館は、沖縄県石垣市(石垣島)に建つ劇場施設である。

建築の設計は、日本建築界の巨匠「前川國男」が担当した。

建築全体は、大ホールと中ホールが分棟形式で配置されており、その2つの棟を接続する部分に、1枚目の写真に映る「半屋外のピロティ空間」が設けられている。

さらに、建物外壁には前川國男がよく使用する「赤レンガ風タイル」がコンクリートに打ち込まれており、建物を塩害などから保護する役割を果たしている。

5.石垣市役所【隈研吾・洲鎌設計室】

photo by Paipateroma/CC 表示-継承 4.0

石垣市役所は、沖縄県石垣市の行政施設として2021年に建設された庁舎建築物である。

建築の設計は、日本を代表する建築家「隈研吾」と、沖縄県石垣島の設計事務所「洲鎌設計室」が共同で行った。

建築全体としては、沖縄伝統の「漆喰赤瓦屋根」が幾重にも重層する構成が象徴的な外観を形成しており、沖縄の歴史を踏襲しつつも斬新さを兼ね備えた魅力的な建築物となっている。

また、内部空間には沖縄を代表する高木「リュウキュウアカマツ」がふんだんに使用されており、隈研吾らしい木の温もりであふれた空間が形成されている。

6.沖縄県立博物館・美術館【石本建築事務所・二基建築設計室】

  • 設計:石本建築事務所・二基建築設計室
  • 住所:沖縄県那覇市おもろまち
  • 竣工:2007年
  • 用途:博物館・美術館
  • URL:公式ページ

沖縄県立博物館・美術館は、沖縄の自然・歴史・文化・芸術に関する展示を行う、沖縄県那覇市に建つ美術博物館である。

建築の設計は、石本建築事務所と二基建築設計室の共同で行われた。

本施設は、13世紀~15世紀にかけて建てられた琉球王国時代の沖縄の城「グスク」をイメージして設計がなされており、グスク特有の滑らかな曲面を持った建築作品となっている。

また、写真3枚目に映るエントランスホールは、樹木のような樹状の柱10本によって天井が支えられており、その柱の上部にはトップライトが設けられ、魅力的な木漏れ日空間を作り出している。

7.沖縄県平和祈念資料館【福村俊治】

photo by Syohei Arai/CC 表示-継承 4.0

沖縄県平和祈念資料館は、1945年3月末に起こった沖縄戦で犠牲になった人々を弔い、沖縄で起きた惨劇を後世に伝えるための施設として、沖縄県糸満市に建てられた平和資料館である。

建築の設計は、原広司研究所出身の建築家「福村俊治」が担当した。

本施設は、平和祈念公園の中心に建つ「平和の火」を中心点として描かれる同心円上に建設されており、平和の火と祈念資料館の間には沖縄戦で亡くなった人々名前を刻んだ「平和の礎」が設置されている。

建築自体は、沖縄伝統の漆喰赤瓦屋根が連続する構成となっており、沖縄の風土に適した外観を形成している。

8.那覇市役所【国建】

photo by 地図帳/CC 表示-継承 3.0
  • 設計:国建
  • 住所:沖縄県那覇市泉崎
  • 竣工:2012年
  • 用途:庁舎
  • URL:参考ページ

那覇市役所は、沖縄県那覇市の行政施設として2012年に建設された庁舎建築物である。

建築の設計は、沖縄県那覇市に本部を置く組織設計事務所「国建」が担当した。

本施設は、地上12階建ての高層庁舎建築となっており、白い構造体による段状の構成が、重厚感と軽快さを兼ね備えた魅力的な外観を作り出している。

周辺の建物と比べてもそこそこ規模の大きい建築物にはなっているが、セットバックした構成と構造物の密度感の小ささゆえか、それほど圧迫感を感じない建物となっている。

9.沖縄美ら海水族館【国建】

photo by sinnosuke uchida/CC 表示-継承 3.0
  • 設計:国建
  • 住所:沖縄県国頭郡本部町
  • 竣工:2002年
  • 用途:水族館
  • URL:公式ページ

沖縄美ら海水族館は、沖縄県国頭郡本部町の沿岸に建つ、世界最大規模の大水槽「黒潮の海」を持つ海洋水族館である。

建築の設計は、沖縄県那覇市に本部を置く組織設計事務所「国建」が担当した。

本施設は、海への眺望を遮らないために、山の斜面に沿う形で建設されており、さらに屋根を分節化することによって建築自体のボリューム感を抑える工夫もなされている。

また、施設中央頂部に設けられた切妻屋根によって覆われた空間では、美ら海の絶景を望める魅力的な半屋外空間が形成されている。

10.アクアポリス【菊竹清訓】※現存せず

『精巧な模型写真』photo by 投稿者自身による著作物/CC 表示-継承 3.0
  • 設計:菊竹清訓
  • 住所:沖縄県国頭郡本部町地先(現存せず)
  • 竣工:1975年
  • 用途:展示・居住・ユーティリティ用途
  • URL:参考サイト

アクアポリスは、1975年に行われた「沖縄国際海洋博覧会」で日本が出展した、海上都市をイメージして建造された建造物である。

建築の設計は、メタボリズムの第一人者として知られる建築家「菊竹清訓」が担当。

建築としては、「海上部分」「海面部分」「海中部分」に分かれており、それぞれ「居住・管理」「交通」「貯蔵・機械」といった機能が収められている。

世界にも類を見ない「アクアポリス」という海上都市モデルは、当時世界的に注目され、約200万人がアクアポリスに訪れたともいわれている。

現在は、老朽化などが原因で建物は解体され、その痕跡は一切残っていない。残念だ。

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今回はこれで以上になります。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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