長崎県美術館とは?
- 設計 :隈研吾
- 所在地:長崎県長崎市出島町2-1
- 竣工 :2005年2月
- 用途 :美術館
- 構造 :S造 RC造 SRC造
- 階数 :地上3階
- 高さ :22.209m
長崎県美術館は日本設計と隈研吾さんが共同で設計した美術館である。
特徴としては、古くから異国との交流の舞台となった「長崎港」の水際空間に位置しているため、敷地の中央には運河が横断し、運河を挟んで二つの棟が配置されている。
また、隣接する「長崎水辺の森公園」の一部であるため、植栽や屋上を芝などで緑化することにより公園と緑が連続した建築物となっている。
隈研吾とは?
- 1954 横浜に生まれる
- 1979 東京大学大学院修了
- 1979 日本設計就職
- 1990 隈研吾建築都市設計事務所設立
- 1997 日本建築学会賞作品賞受賞
- 2009 東京大学教授に就任
隈研吾とは、木材をふんだんに使用した和風建築を数多く手がけることで知られている、日本を代表する建築家である。
代表作としては、国立競技場・那珂川町馬頭広重美術館・浅草文化観光センターなどが挙げられ、どの建築にも必ずと言っていいほど木材が使用されている。
街中で、木のルーバーや木のパネルがくっついた建築物を見かけたら、高い確率で隈研吾が設計した建築作品だと思っていいだろう。(笑)
最近の隈研吾建築は、木材を建物に貼り付けただけのような、安っぽいものも多くなってしまっている感じがするが、定期的に周囲を圧倒するような作品も手掛けるため、油断は禁物である。
建築の特徴
2棟の中央を通る運河
敷地は、かつて異国との交流の場となった「長崎港」であるため中央に運河が通っている。
そのため設計案としては、開く機能である「ギャラリー棟」と、守る機能である「美術館棟」に分けて建物を配置することとなった。
水際の通路は植栽などがなされ、来館者が自由に散策できる「水辺のプロムナード」となっています!!
2棟をつなぐブリッジ
美術館棟とギャラリー棟のふたつの棟は「橋の回廊」で接続されている。
さらに、運河沿いに面して「光の回廊」と呼ぶ道を配することによって、全体を回遊でき、自然や季節を感じられる空間になっている。
外壁を囲う石のルーバー
外壁のルーバーは、花崗岩(かこうがん)と呼ばれる石材であり、厚さ30㎜、高さ約15mに及ぶものであるため、鋼材による支持で風速70m/s程度に耐えられる強度を持つ。
この石のルーバーによって長崎の強い日差しを抑えつつ、適度な光を取り込むことのできる美術館となっている。
豊かな内部空間
美術館内の展示場は、上の写真のように木の雰囲気に囲われた空間や、真っ白な空間、自然光を取り入れた空間などが存在し、多様な展示に対応できるようになっている。
さらに、エントランスホールは、約12mに及ぶ吹き抜け空間となっており、三面がガラス張りであるため、光のあふれる魅力的な空間となっている。
さらに、屋上は「長崎水辺の森公園」と緑が連続する屋上庭園となっていて、長崎港の眺めを一望できる憩いの場ともなっている。
最後に・・・
以上が長崎港に隣接する、日本設計と隈研吾さんが共同で手掛けた長崎県美術館でした。
かつて外国と日本をつないだ長崎港で、現在は日本と世界、自然と都市、海と陸をつなぐ魅力あふれる美術館となっている。
長崎県を訪れる際は是非、長崎県美術館に立ち寄ってみてください!!
ご覧いただきありがとうございます!!