モンキーカフェとは?

モンキーカフェは東京・代官山に建つ、オフィスやカフェ、ギャラリーなどを併設した、企業の自社ビルである。
設計を務めたのは、商業施設や住宅など多くの作品を手掛ける建築家中村拓志。
代官山という賑やかな街並みと呼応するように、企画から販売までをシームレスに繋いだ企業ビルが完成した。

そんな、モンキーカフェの特徴をご紹介します!!
中村拓志とは?
- 1974 東京に生まれる
- 1999 明治大学大学院博士前期課程修了
- 1999 隈研吾建築都市設計事務所入所
- 2002 NAP建築設計事務所を設立
- 2007 情熱大陸出演
中村拓志は、1974年生まれ、2021年現在47歳の建築家である。
代表作としては、「東急プラザ表参道原宿店」「狭山の森礼拝堂」「zozo本社屋」などが挙げられる。
個人事務所を設立する前は、木材をふんだんに使用した建築で知られる建築家隈研吾氏の設計事務所に勤務していたことでも有名である。
建築の特徴

モンキーカフェの建築的特徴としては、次のような点が挙げられる。
- 企画から販売まで行う企業ビル
- 螺旋状×スキップフロア
- 構造に合わせた開口部
- 緑で包まれた建築
- 木材を多用した建築
企画から販売まで行う企業ビル

モンキーカフェは、企画から販売までトータルなモノづくりを通じた活動をしている「スーパープランニンググループ」が運営する企業ビルである。
「企画→開発→設計→発表→展示会→販売→改良」
自社で企画・開発した商品をギャラリーで「展示・発表」し、ショップ・カフェで「販売」、その売れ行きや評判をもとに「改良」していく。
この一連の流れをひとつの建物で行うことで、ダイレクトな意見や反応を体感でき、いい商品・いいアイデアの開発につながる。
螺旋状×スキップフロア

この、一連の活動を単に階層分けされた建物に収めてしまったら、消費者の意見・反応をダイレクトに体感できるという利点が薄れてしまう。
そこで中村氏は、空間をシームレスに繋ぐことができる「螺旋」と「スキップフロア」という二つの要素を組み合わせた建築を計画した。
この螺旋状に上がって行く空間の動線上に一連の活動を反映させることで、それぞれの活動が融合し、一体的なつながりを持った企業運営が可能になっている。
構造に合わせた開口部

螺旋状に巻き上がっている建物形状に合わせ、外周の開口部も一枚一枚形状が異なったガラスによって螺旋状に形成されている。
この開口部の構成によって、内部の螺旋形状が外部からも可視化され、人々の目を引く外観がつ繰られている。
緑で包まれた建築

モンキーカフェが建つ代官山では、小規模の建物が密集しその隙間に緑が溢れるといった特殊な街並みが形成されている。
この特殊な街並みや隣接する公園の緑と呼応させることを意図して、モンキーカフェも豊かな緑に囲まれている。
ちなみに、緑の部分の面積を増やすために、建物の一階部分の面積は必要最低限に抑えられている。
木材を多用した建築

建物内部の床には、暖色系の木材が使用されており、木のぬくもりを感じる空間が形成されている。
さらに、螺旋状に渦巻く外壁には、欧州赤松が使用され、節が良いアクセントとなり豊かな外観を作り出している。
このように、師匠である隈研吾氏に負けず劣らずの木材の利用によって、人々が親しみやすい空間を形成しているのも中村建築の特徴である。
建築概要
- 所在地:東京都渋谷区猿楽町
- 開店 ::2014年10月
- 用途 :複合施設
- 構造 :RC造、S造
- 階数 :地上3階
- 設計 :NAP建築設計事務所
- 施工 :松下産業
- 構造 :Arup
- 設備 :ZO設計室
施設概要
- Tel :03-5728-6260
- 営業時間:10:00〜19:00
- 休業日 :不定休
- URL :https://www.nakam.info/jp/works/sarugaku-cyclone/
- アクセス:代官山駅より徒歩5分
最後に・・・
以上がモンキーカフェの特徴でした。
企画から販売まで行うという用途に合わせた、螺旋状の建物形状が象徴的で魅力的な建築になっていたと思います。

是非一度、モンキーカフェを訪れてみてください!!
ご覧いただきありがとうございました。