みなさんこんにちは、本サイト「建築LIFE」を運営しているたけです。
今回は、昭和に建てられた重要文化財「明治生命館」の歴史と建築的特徴について解説していきたいと思います。
日本における近代西洋風建築の最高傑作です。
是非最後までご覧ください。
明治生命館の概要

明治生命館は、1934年に明治生命の新社屋として東京・丸の内に建設されたオフィスビルである。
1997年には、昭和時代に建てられた建築物としては初みて重要文化財に指定されており、その歴史的価値は国からも認められている。
建築の設計は、大正・昭和初期に活躍した日本人建築家「岡田信一郎」が担当。
西洋建築の象徴でもあるコリント式の柱が並ぶファサードが特徴的な建築作品となっており、日本近代建築の最高傑作として知られている。
設計者:岡田信一郎とは?

- 1883年 東京に生まれる
- 1906年 東京帝国大学建築学科卒業
- 1907年 東京美術学校講師
- 1912年 早稲田大学教授
- 1923年 東京美術学校教授
- 1932年 逝去(48歳)
岡田信一郎は、大正・昭和初期に活躍した日本人建築家である。
東京帝国大学建築学科を卒業後、東京美術学校(現・東京芸術大学)や早稲田大学で教鞭をとりながら、数多くの建築作品を残した。
代表作としては「第3期・歌舞伎座」「明治生命館」などが挙げられ、歴史主義建築から日本の伝統様式を取り入れた和洋折衷建築まで、多種多様な建築作品を残している。
明治生命館の特徴
西洋様式に倣った歴史主義建築

日本では、1853年の開国から1930年頃にモダニズム建築が広がるまで、西洋の古い建築様式を倣った歴主義建築が数多く建てられてきた。
長年鎖国していたことで開いてしまった、西洋との技術的・文明的な差を必死に取り戻そうとしたのだろう。
そんな、日本の西洋化(近代化)の時代に建てられた代表的な作品が、この明治生命館だというわけだ。
ファサードを象徴づけるコリント式の列柱

明治生命館のファサードには、西洋建築を印象付けるコリント式の柱が立ち並んでいる。
コリント式とは、西洋建築における美の象徴「オーダー(柱と梁の構成方法)」の一種類のことで、他にドリス式やイオニア式といった種類が存在する。
このコリント式列柱が作り出す陰影のあるファサードが、明治生命館最大の特徴となっている。
百尺規制の名残を残す建築物

戦前、日本の主要都市には「百尺規制」というものが適用されていた。
百尺規制とは、景観的配慮などの観点から、市街地における建物の高さを百尺(約31m)に制限するという規制で、丸の内もその規制の対象地域内となっていた。
そのため、明治生命館も高さが百尺で建設されており、背後に超高層ビルが建設された現在でも、その姿は竣工当時のまま保存されている。
GHQに接収された過去

太平洋戦争でアメリカに敗戦した日本は、あらゆる建物がGHQによって接収されていた。
それは明治生命館も例外ではなく、1945年9月12日から1956年7月18日までの間、GHQ軍によって接収され、アメリカ極東空軍司令部として使用されていたのだ。
ちなみに、同じ日比谷濠沿いに建つ「第一生命館」は接収後、GHQの本部として利用され、今でも施設内部にはマッカーサー総司令の執務室が保存されているという。
丸の内・有楽町の有名建築物

今回はこれで以上になります。
最後までご覧いただきありがとうございました。