みなさんこんにちは、本サイト「建築LIFE」を運営しているたけです。
今回は、大都会・東京銀座に建つ大型商業施設「銀座プレイス(GINZA PLACE)」の建築的特徴を解説していきたいと思います。
陰影のあるファサードが特徴的なビル建築です。
是非最後までご覧ください。
銀座プレイス(GINZA PLACE)の概要

- 設計:クラインダイサムアーキテクツ+大成建設
- 住所:東京都中央区銀座
- 竣工:2016年
- 用途:展示場・物販店舗・飲食店舗
- URL:公式ページ
銀座プレイス(GINZA PLACE)は、大都会・東京都中央区銀座に建つ大型商業施設である。
建築の設計は大成建設の設計部が行い、外構デザインをクラインダイサムアーキテクツが担当した。
クラインダイサムアーキテクツらしい白を基調とした建築物だ。
また、白い壁に穴が開いたような特徴的なファサードは、伝統技法「透かし彫り」をモチーフとしてデザインされており、陰影のあるシンボリックな外観を作り出している。
設計者:クライン ダイサム アーキテクツとは?
アストリッド・クライン
- 1962年 イタリアで生まれる
- 1988年 来日・伊東豊雄建築設計事務所勤務
- 1991年 クラインダイサムアーキテクツ設立
マーク・ダイサム
- 1964年 イギリスで生まれる
- 1988年 来日・伊東豊雄建築設計事務所勤務
- 1991年 クラインダイサムアーキテクツ設立
久山幸成
- 1973年 兵庫県赤穂市に生まれる
- 1996年 横浜国立大学卒業
- 1996年 クラインダイサムアーキテクツ所属
クラインダイサムアーキテクツは、伊東豊雄事務所出身の建築家「アストリッド・クライン」と「マーク・ダイサム」によって東京・渋谷の地に設立された建築設計事務所である。
1996年からは、横浜国立大学出身の建築家「久山幸成」も事務所の主要メンバーとして加入し、新体制で設計活動を再スタートしている。
代表作としては「代官山T-SITE」「湘南T-SITE」「柏の葉T-SITE」などが挙げられ、蔦屋書店に関する店舗を複数手がけていることでも知られている。
上記3作品もそうだが、クラインダイサムアーキテクツの建築作品には、美しい白色を基調として外観を仕上げているものが多い。
銀座プレイス(GINZA PLACE)の特徴
地上11階・地下2階の大型商業施設

銀座プレイスは、展示場・飲食店・物販店舗など、様々な機能を複合した大型商業施設である。
建物の高さは約56mもあり、シンボリックな建物が多い銀座の街並みの中でも一際大きな存在感を放っている。
敷地は、銀座中央通りと晴海通りが交差する銀座四丁目交差点に面する位置に設定されており、対面にはあの銀座和光が佇んでいる。
対面に建つ「銀座和光」

建物上部に乗っかる大きな時計台が銀座のシンボルにもなっている「銀座和光」。
映画『ゴジラ』や『日本沈没』のロケ地にもなっているため、一度は見たことがあるのではないだろうか。
銀座プレイスは、その銀座和光と交差点を挟んで対面する位置に建っている。
そのため、銀座和光を中心に形成される魅力的な街並みと調和しつつ、銀座の新しいランドマークになるようなデザインが銀座プレイスには求められた。
伝統技法「透かし彫り」をモチーフとした外観

陰影のある象徴的な外観を作り出す外壁は、伝統技法「透かし彫り」をモチーフとしてデザインされている。
透かし彫りとは、金属・木・石といった素材をくりぬくことで模様をあらわす伝統技法で、日本でも昔から建築や家具、工芸品などに用いられていた技術となっている。
この伝統技法をファサードに用いることで、伝統工芸が持つ繊細さや優しさといったイメージを付加しつつ、建築にシンボル性をもたらしている。
高さ百尺の位置に設けられたテラス

建物全体が白い外壁で覆われた銀座プレイスではあるが、中ほどあたりに横一直線の切れ目が入っていることがわかる。
この部分にはテラスが設けられているのだが、実はこのテラスまでの高さが「百尺(約31m)」となっている。
建築に詳しい方ならご存じかもしれないが、かつて銀座の街には「百尺規制」というものが適用されており、建物の高さを百尺以内に収めなければならないというルールが存在していた。
このテラスは、その時の記憶・歴史を継承するために設置されたものなのである。
クラインダイサムアーキテクツの建築物
代官山T-SITE

柏の葉T-SITE

湘南T-SITE

今回はこれで以上になります。
最後までご覧いただきありがとうございました。