みなさんこんにちは、本サイト「建築LIFE」を運営しているたけです。
今回は、ドイツの首都・ベルリンに建つ銀行建築「DZ銀行」の建築的特徴を解説していきたいと思います。
内外の対比性が魅力的なフランク・ゲーリー建築です。
是非最後までご覧ください。
DZ銀行の概要
- 設計:フランク・ゲーリー
- 住所:ドイツ・ベルリン
- 竣工:1999年
- 用途:銀行・住居など
DZ銀行は、ドイツ第3位の資産規模を誇る「DZ銀行」のベルリン支店として、1999年に建設された銀行建築である。
敷地は、ベルリンのシンボル的存在である「ブランデンブルク門」のすぐそばに位置しており、建物内にはDZ銀行のオフィス以外にも、29戸の住居なども収められている。
建築の設計は、アメリカを拠点に活動する世界的建築家「フランク・ゲーリー」が担当。
外観だけ見ると、ごく一般的なオフィスビルのようにも見える建築だが、内部には大きなアトリウム空間が展開されていおり、その中心には異様な形態をした造形物が設置されている。
脱構築主義の先駆者であるフランク・ゲーリーらしい、一風変わった建築作品である。
DZ銀行の建築的特徴
ブランデンブルク門に隣接する複合施設
ドイツの首都・ベルリンのシンボルとして知られる「ブランデンブルク門」。
古代ギリシャの様式を用いた重厚感のある門と、その前面に広がる「Pariser Platz(パリ広場)」は、ベルリン最大の観光スポットとして知られている。
そんな、ブランデンブルク門の南東方向、パリ広場に面する位置に建てられているのが、今回紹介するDZ銀行となる。
フランク・ゲーリーの代表作
フランク・ゲーリーは、1980年代後半に登場した建築思潮「脱構築主義」の先駆者として知られる、アメリカの建築家である。
脱構築主義は、均質性や普遍性を追求したモダニズムへの反動として生まれた建築思潮であるため、建築自体は、モダニズム建築とは正反対の、アンバランス・不整合・混沌などの形態的特徴を持っている。
そんな脱構築主義、そしてその先駆者であるフランク・ゲーリーの代表作の一つとして名高いのが、DZ銀行なのである。
落ち着きのあるファサード
フランク・ゲーリーの作品と言えば「ビルバオ・グッゲンハイム美術館」や「ウォルト・ディズニー・コンサートホール」などに代表されるように、有機的な外観を持った作品を想像する人も多いと思う。
しかし、DZ銀行の外観は、思いのほかシンプルである。
パリ広場側のファサードは、垂直水平性が保たれたモダニズム的な構成になっているし、ベーレン通り側は、窓の配置がアンバランスになっているなど、多少ゲーリーらしさが現れているが、それでもビルバオ・グッゲンハイム美術館に比べてしまうと大したことはない。
おそらく、周辺の街並みに配慮した結果、このような比較的シンプルな構成になったのだろう。
しかし、フランク・ゲーリーはこれで満足するような男ではない。
内部空間ではしっかりとゲーリー節を発揮しているのである。
ガラスの天井と床を持つアトリウム空間
上の写真は、DZ銀行の中心部にあるアトリウム空間を映した写真である。
天井と床は有機的なガラス面で覆われて、四方は力強い柱梁の骨組みによって囲われている。
先ほどの落ち着いたファサードからは絶対に想像できないような、大胆な空間展開である。
そして、このアトリウム空間の中央に佇んでいる異様な造形物。ついにフランク・ゲーリーが姿を現した。
アトリウムの中央に鎮座する異様な会議室
アトリウム空間の中央に鎮座するこの造形物の中は、会議室となっている。
有機的な壁で構成されたシェル状の会議室は、外皮が「ステンレパネル」で覆われており、ビルバオ・グッゲンハイム美術館にも共通する異様な外観を形成している。
一方で、内側は、外皮とは対照的な素材である「木材」で覆っており、ここでも内外の対比によって魅力的な空間を作り出している。
フランク・ゲーリーの建築作品7選
フランク・ゲーリーの作品集
今回はこれで以上になります。
最後までご覧いただきありがとうございました。