建築

ポンピドゥー・センター・メス【坂茂】

スポンサーリンク
スポンサーリンク

ポンピドゥー・センター・メスとは?

ポンピドゥーセンターメスは、1977年に開館した「パリ・ポンピドゥー・センター」の分館として、フランスのメス市に建てられた美術館である。

パリ・ポンピドゥー・センター

ポンピドゥーセンターは、世界的建築家「レンゾ・ピアノ」と「リチャード・ロジャース」によって建てられた美術館である。

工事現場のように、足場や配管、エスカレータが浮かび上がった外観が特徴的。

その奇抜さから、パリ市民からは一部非難の声も上がった。

設計を務めたのは、日本のみならず世界でも活躍される建築家坂茂ばんしげる

「最適性」と「象徴性」をあわせもった美術館

このデザインコンセプトを基に、展示空間として合理的な構成ながらも、メス市のシンボルとなるような建築がつくられている。

たけひこ
たけひこ

そんな、ポンピドゥーセンターメスの特徴を今回ご紹介します!

坂茂とは?

  • 1957 東京に生まれる
  • 1977 南カリフォルニア建築大学
  • 1980 クーパー・ユニオン建築学部
  • 1982 磯崎新アトリエに在籍
  • 1985 坂茂建築設計設立
  • 1999 ニューヨークに事務所開設
  • 2004 パリに事務所開設
  • 2014 プリツカー賞受賞

坂茂は、建築界のノーベル賞といわれる「プリツカー賞」を受賞した経験を持つ日本を代表する建築家である。

さらに、日本だけではなく、パリとニューヨークにも自身の事務所を構え、世界中で活躍されている建築家でもある。

代表作としては、「静岡県富士山世界遺産センター」「紙のカテドラル」などが挙げられる。

坂茂による「紙管建築」
紙管による仮設教会
photo by Bujdosó Attila,CC 表示-継承 2.5

坂茂氏は、トイレットペーパーの芯などに用いられる「紙管」を利用したパビリオン的建築を多く手がけている。

この「紙管」は、紙でできているため、どこでも生産が容易である点を生かして、被災地などの仮設建築に多く利用している。

建築の特徴

ポンピドゥーセンターメスの建築的特徴としては、次のような点が挙げられる。

  1. 3本の「ギャラリーチューブ」が積み上げられた構成
  2. 建物全体を包み込む有機的な大屋根
  3. 中国の帽子をイメージした木造屋根構造
  4. 木造屋根を覆う「PTFE膜」
  5. フランスの景色を切り取る「ピクチャーウィンドウ」
  6. 内外を連続させる「ガラスシャッター」

3本の「ギャラリーチューブ」が積み上げられた構成

ポンピドゥーセンターメスのギャラリースペースは、幅15m、長さ90mに及ぶ3本の「ギャラリーチューブ」によって構成される。

これらが上の模型写真のように、階段とエレベータを収めた六角形の「ヘキサゴナルタワー」を中心に、45度ずつズレながら積層されている。

この構成によって、明確な動線や相互関係のしやすさなどが実現し、コンセプトの「最適性」を押さえた形となる。

建物全体を包み込む有機的な大屋根

  • 3本の「ギャラリーチューブ」
  • レストランを収める「円形ヴォリューム」
  • オフィスなどを収める「箱型ボリューム」
  • 階段とエレベータを収める「ヘキサゴナルタワー」

これらすべてのヴォリュームを、木造の骨組みにPTFE膜をかぶせた大屋根が覆っている。

この構成によって、ばらばらだったそれぞれの要素が一体の建築として融合される形となった。

また、この大屋根は、上から見ると六角形になっている。

フランスと六角形

フランスの国土の形は、六角形に近いと言われている。

このことから、フランス人にとって六角形は、国をあらわすシンボル的存在にもなっているという。

中国の帽子をイメージした木造屋根構造

本美術館を魅力的なものとしているのが、この木組みによる大屋根構造である。

これは、中国に古くから伝わる、「竹編み帽子」から発想を得たという。

この構成は、六角形と三角形のパターンが連続するもので、2枚の集成材の間に木製の束材を挟み「フィーレンデールトラス」という形状に組んでいる。

木造屋根を覆う「PTFE膜」

さらに、木造屋根の上にかぶさる白い膜「PTFE膜」も特徴的である。

PTFE膜は耐久性や防水性などに優れた素材であり、自動車の部品や電線の被膜などに幅広く用いられている。

この膜によって、昼は館内に外から光を取り入れ、夜になると館内の光を外に放出し、美しい建物形状を浮かび上がらせる。

フランスの景色を切り取る「ピクチャーウィンドウ」

3本の「ギャラリーチューブ」の先端は、それぞれ断面いっぱいに窓が設けられている。

これは、「ピクチャーウィンドウ」と言って、額縁に入った絵を見るかのように、窓の中に映る景色を見られるようになっている。

  • ギャラリーチューブ2は、ドイツに占領されていた時に建設された「メッツ市中央駅」
  • ギャラリーチューブ3は、メス市の中心街地にある「カテドラル」

これらの景色をそれぞれのピクチャーウィンドウが切り取っている。

内外を連続させる「ガラスシャッター」

建物とのファサードは、上の写真のように透明なガラスのシャッターによって構成されている。

このガラスのシャッターを開くことで、周辺の公園と内部のエントランス広場がつながり、一体となった利用が可能になっている。

ガラスのシャッター
坂茂によるニコラス・G・ハイエックセンター

坂茂氏は、このガラスのシャッターを他の建築物でも頻繁に用いている。

夏場冬場では、普通のシャッターだと光が取り入れられず、暗い印象になる。だからと言って開くと熱負荷が大きい。

しかし、ガラスのシャッターは、内部の空調に頼りつつ、採光を確保できるという一石二鳥の設備になっている。

建築物概要

  • 所在地:フランス・メス市
  • 竣工 :2010年4月
  • 用途 :美術館
  • 構造 :コンクリート造 S造 木造
  • 高さ :77m
  • 設計 :坂建築設計
  • 構造 :Ove Arup、Terrell
  • 施工 :Demathieu & Bard
  • 設備 :Ove Arup

施設概要

最後に・・・

以上が坂茂氏の代表作「ポンピドゥーセンターメス」の特徴でした。

積み上げられたギャラリーチューブと、それを包み込む木造の大屋根が魅力的な建築だったと思います。

たけひこ
たけひこ

是非一度、ポンピドゥーセンターメスに訪れてみてください!!

ご覧いただきありがとうございました。

タイトルとURLをコピーしました