【建築特徴】カリフォルニア科学アカデミー|レンゾ・ピアノ

目次

カルフォルニア科学アカデミーとは?

photo by WolfmanSF/CC 表示-継承 3.0
  • 設計:レンゾ・ピアノ
  • 住所:アメリカ・カルフォルニア州サンフランシスコ
  • 竣工:2008年
  • 用途:自然史博物館

カルフォルニア科学アカデミーは、アメリカ・カリフォルニア州サンフランシスコの地に建つ、世界最大級の自然科学博物館である。

この博物館の開館は1853年まで遡るが、1989年に発生した地震によって旧館が損傷。これをきっかけとして同じ敷地に新たな博物館建築が2008年に新設された。

新館の設計は、ポンピドゥー・センターの設計者として知られるイタリア出身の建築家「レンゾ・ピアノ」が担当。

建築全体は、平面形状こそシンプルな長方形となっているが、立体的にみると屋根面が全体的に緑化されており、さらにその屋根からは複数の大きなコブが突出しているのが見て取れる。

このコブの下には、プラネタリウムや熱帯雨林ドームなどの特殊な機能が配置されている。

カルフォルニア科学アカデミーの建築的特徴

サンフランシスコに建つ世界最大級の自然科学博物館

広大な自然と穏やかな気候で知られる、アメリカ西海岸を代表する街「サンフランシスコ」。

そんな豊かな街サンフランシスコの北西部に位置する都市公園「ゴールデン・ゲート・パーク」の中に、カルフォルニア科学アカデミーは建っている。

カルフォルニア科学アカデミーは、世界最大級の自然科学博物館として知られており、館内には水族館・亜熱帯温室・プラネタリウムなど、様々な自然科学に関する展示空間が展開されている。

レンゾ・ピアノの代表作

photo by Columbia GSAPP/CC 表示 2.0

カルフォルニア科学アカデミーの設計を務めたのは、イタリア出身の世界的建築家「レンゾ・ピアノ」である。

レンゾ・ピアノは、1977年に竣工したハイテク建築「ポンピドゥー・センター」で一躍有名になった建築家であり、その後も世界各地で数多くの建築作品を手がけている。

レンゾ・ピアノの手がけた作品には、最先端の構造技術・環境技術を用いて設計された作品が多く、今回紹介するカルフォルニア科学アカデミーでも最先端技術がこれでもかというくらいに導入されている。

緑化され、丘のように隆起する屋根面

photo by FASTILY/CC 表示-継承 4.0

この博物館最大の特徴はなんといっても、緑化され、丘のように隆起する屋根面だと言えるだろう。

この屋根面は、カルフォルニアの原生植物によって緑化されており、博物館建築をゴールデン・ゲート・パークの豊かな自然環境の中に溶け込ませる役割を担っている。

このような、緑化されたランドスケープ的な建築物を見ると、福岡にある伊東豊雄作品「ぐりんぐりん」を連想するのは私だけではないはずだ。

また、丘のように隆起するコブの部分には、丸形トップライトが無数に設置されているが、この窓は開閉可能になっており、換気装置としても機能している。

コブ下に位置する熱帯雨林ドーム

photo by TheDailyNathan/CC 表示-継承 3.0

屋根面でコブのように突起していた部分の下の空間には、プラネタリウムや水族館、熱帯雨林ドームといった特殊な機能が配置されている。

その中でも、熱帯雨林ドームは上の写真のように近未来的な空間として展開されており、訪れた人々の感動と好奇心を誘発する魅力的な展示空間となっている。

屋根面から見えた丸形のトップライトは、この空間の天井面と対応していることも上の写真から見て取れる。

環境負荷を最小限に抑える工夫

photo by Buzzlovestravel/CC 表示-継承 4.0

トップライト・換気装置として機能する丸形窓ももちろんそうなのだが、この建築では環境負荷を最小限に抑える工夫が至る所にみられる。

例えば、屋根面の先端部分はガラスのキャノピー(庇)となっているのだが、このキャノピーの上面には約60,000個の太陽電池が設置されており、自家発電を可能としている。

さらに、カルフォルニア科学アカデミーの旧館解体時に発生した廃材の90%以上は、他の現場で再利用するなど、徹底した環境負荷の低減を図っている。

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