アオーレ長岡とは?
- 設計 :隈研吾
- 所在地:新潟県長岡市大手通
- 竣工 :2012年2月
- 用途 :市役所本庁舎(事務所)店舗・飲食店など
- 構造 :鉄筋コンクリート造 一部鉄骨造
- 階数 :地下1階 地上4階 塔屋1階
- 高さ :21.400m
アオーレ長岡とは、新潟県のJR長岡駅の近くにある、市庁舎・ホール・アリーナなどを併設したシティーホールプラザである。
設計は新国立競技場などで有名な隈研吾氏であり、隈研吾氏らしい地場産のスギルーバーによって囲われた「ナカドマ」という大空間が特徴的な施設である。
「ナカドマ」とルーバーによる大空間は、市民の生活と混ざり合い一体化した市役所を目指し設計がなされた。
隈研吾とは?
- 1954 横浜に生まれる
- 1979 東京大学大学院修了
- 1979 日本設計就職
- 1990 隈研吾建築都市設計事務所設立
- 1997 日本建築学会賞作品賞受賞
- 2009 東京大学教授に就任
隈研吾とは、木材をふんだんに使用した和風建築を数多く手がけることで知られている、日本を代表する建築家である。
代表作としては、国立競技場・那珂川町馬頭広重美術館・浅草文化観光センターなどが挙げられ、どの建築にも必ずと言っていいほど木材が使用されている。
街中で、木のルーバーや木のパネルがくっついた建築物を見かけたら、高い確率で隈研吾が設計した建築作品だと思っていいだろう。(笑)
最近の隈研吾建築は、木材を建物に貼り付けただけのような、安っぽいものも多くなってしまっている感じがするが、定期的に周囲を圧倒するような作品も手掛けるため、油断は禁物である。
建築の特徴
3棟をつなぐ大屋根
アオーレ長岡の最大の特徴である、トラス構造の約9,000㎡もある鉄骨屋根は、3棟をつなぎつつ、光がこもれる半屋外空間となっている。
また、この大屋根によって長岡の人々が集まる空間がつくられている。
3棟に囲われた「ナカドマ」
トラスによる大屋根によって作られる空間が、この「ナカドマ」である。
これは、日本の昔ながらの住宅などに見られる土間の概念を取り入れることによって、公共建築を市民に寄り添った空間にしようと考えられたものである。
地場産のスギ材ルーバーによる外壁
アオーレ長岡の「ナカドマ」空間をより豊かなものにしているのが、このスギルーバーによる外壁である。
これは、アオーレ長岡から15km以内のスギ材を用いている。さらに、ルーバーの幅や隙間、角度がランダムに設置してある。これによって、大空間ながらも民家に近いような雰囲気を作り出している。
豊かな内部空間
市民交流ホール
アオーレ長岡の内観的としては、外観と同様にあらゆる場所にスギルーバーによる壁がつくられているため、日本らしい温かい空間ができていることである。
ナカマドに開いたアリーナ棟
アリーナ棟は、各種屋内スポーツ・発表会などを行う施設であるが、ここも「ナカドマ」に面しているため、ナカドマ→アリーナへの一体的な活用も可能である。
また、アリーナのナカドマに面している部分は、幅18mにも及ぶ大開口によって構成されているため、視覚的にも連続している。
最後に・・・
以上が隈研吾氏設計のシティーホールプラザ「アオーレ長岡」でした。
トラスの大屋根による大空間「ナカドマ」が、市民の交流の場となっている魅力的な空間だったと思います。
ご覧いただきありがとうございます!