みなさんこんにちは、本サイト・建築LIFEを運営している「たけ」です。
今回は、滋賀県の有名建築物10選をご紹介したいと思います。
滋賀県には、琵琶湖周辺を中心として、藤森照信・日建設計・イオミンペイといった有名建築家・建築事務所が設計した建築物が数多く存在しています。
本記事では、それらの魅力ウ的な建築物の概要を解説しているので、滋賀県で建築巡りをする際には是非参考にしてみてください。
では早速本題に入ります。
滋賀県の有名建築物10選【藤森照信・日建設計・I.M.ペイなど】
1.草屋根【藤森照信】

草屋根は、和洋菓子を扱う「たねや」という企業が運営する『ラ・コリーナ近江八幡』のメイン店舗となっている建築物である。
本施設の設計は、ジブリに出てきそうな建築物を数多く手がけることで知られる建築家「藤森照信」が担当。
建築としては、一面が芝で覆われた大屋根が最大の特徴となっている。
藤森照信氏はこれまで、「建築緑化」というテーマを基にいくつもの建築を設計してきたが、自然と人工の融合はやはり難易度が高く、自然が枯れてしまうなど、9回建築緑化にチャレンジて「4勝5敗」と負け越していたそう。
そんな中、新たに建築緑化を目指して建てられたのがこの草屋根であり、今回は大屋根をすべて芝で覆うというチャレンジをしている。
果たして今回の草屋根は、勝利を収めたのだろうか?正解は実際に訪れてみるとわかるだろう。
2.滋賀県立琵琶湖博物館【日建設計】
滋賀県立琵琶湖博物館は、日本最大の湖「琵琶湖」をテーマにした博物館である。
館内では、ジオラマ・実物資料・淡水魚など多種多様なが展示がなされており、琵琶湖の歴史や自然環境について深く知れる博物館となっている。
本施設の設計は、大手組織設計事務所「日建設計」と「滋賀県土木部建築課」の共同で行われた。
施設全体は、写真左に見える円形平面を持った「水族展示室棟」と、写真右の深い軒下空間が象徴的な「本館棟」に分かれており、その両者の棟は琵琶湖の絶景を望むことができる透明な通路によって接続されている。
また、本館棟の中央には、2枚目の写真の通り、前面に琵琶湖が広がる大きなアトリウム空間が展開されており、魅力的な空間を作り出している。
3.滋賀県立美術館【日建設計】
滋賀県立美術館は、滋賀県にゆかりの美術品などを収蔵・展示することを目的として、1984年に開館した県立美術館である。
本施設の設計は、日本の大手組織設計事務所「日建設計」が担当。
建築は、周辺に広がる緑豊かな自然環境との調和を目指して、低層で伸びやかな勾配屋根を持つ、複数の棟によって全体像が構成されている。
一方で、それらの勾配屋根によってつくられた内部空間は、屋根の形状がそのまま内部に反映されているため、外観以上に広々とした空間となっている上、外部に対して大きなガラス面を設けているため、明るい開放的な空間となっている。
4.ヤンマーミュージアム【日本設計】

ヤンマーミュージアムは、農機や小型船舶などの製造販売を行う「ヤンマー」の体験型ミュージアムとして、2013年に開館した博物館建築物である。
本施設の設計は、大手組織設計事務所「日本設計」が担当。
建築は、ヤンマーの事業領域を象徴するかのような「水・緑・ガラス」といった要素で全体像が構成されており、親しみやすい外観を作り出している。
また、V字柱によって支えられる緑化された屋上空間には、テラスやビオトープ、足湯などが設けられており、定期的にワークショップなども開催されている。
5.佐川美術館【竹中工務店】
佐川美術館は、佐川急便創業40周年記念事業の一環として、1998年に開館した美術館建築物である。日本画家の平山郁夫、彫刻家の佐藤忠良、陶芸家の樂直入などの作品をメインに取り扱っている。
建築は、スーパーゼネコンの一角をなす「竹中工務店」が設計を担当。
本美術館は、1998年に竣工した「本館(2棟)」と、2007年に新たに建設された「樂吉左衞門館」によって構成されており、それらの棟が水庭に浮かぶように佇んでいる。
そして本館は、低くまっすく伸びる2つの「切妻屋根」がスタイリッシュかつ荘厳な外観を作り出しているが、さらにその2棟は水庭という名の「結界」によって隔離されているため、荘厳さが一層際立っている。
6.MIHO MUSEUM【I.M.ペイ+紀萌館設計室】
- 設計:I.M.ペイアーキテクト+紀萌館設計室
- 竣工:1996年
- 用途:美術館
- 住所:滋賀県甲賀郡信楽町
- URL:公式ページ
宗教法人・神慈秀明会の会主である「小山美秀子」のコレクションを展示するための施設として、1997年に開館した美術館である。
設計は、ルーブル美術館ピラミッドを設計したことで知られる中国出身の建築科「イオ・ミン・ペイ」と、日本の「紀萌館設計室」の共同で実施された。
本施設は、建物自体ももちろん魅力的だが、それ以上にアプローチ空間が面白い。
本施設はメインの「美術館棟」とは別に、約500mも離れた位置に「レセプション棟」が設けられており、来館者はまずそこで入館料を払う仕組みになっている。
そして、入館料を払った来館者は、まず美術館棟とレセプション棟の間に設けられた「歩行者専用トンネル(216m)」をくぐり抜け、抜けた先に続く「橋(120m)」を渡ってはじめて、メインの美術館棟に到着する。
壮大なアプローチ計画である。
7.安土町城郭資料館【坂倉建築研究所】

- 設計:坂倉建築研究所
- 竣工:1987年
- 用途:資料館
- 住所:滋賀県近江八幡市安土町
- URL:公式ページ
安土町城郭資料館は、安土城に関する資料の収蔵・展示などを目的として、1987年滋賀県近江八幡市安土町に建設された資料館である。
館内では、20分の1スケールで作られた安土城の模型や、屏風絵風陶磁版壁画などが展示されている。
設計は、坂倉準三によって設立された設計事務所「坂倉建築研究所」が担当。
城郭資料館という機能を反映してか、本施設は「城郭」をモチーフとした重厚感のある外観が特徴的な建築物となっている。
8.彦根城博物館【早川正夫】

- 設計:早川正夫建築設計事務所
- 竣工:1986年
- 用途:博物館
- 住所:滋賀県彦根市金亀町
- URL:公式ページ
彦根城博物館は、彦根市の市政50周年を記念して、彦根城の表御殿跡地に建設された博物館建築物である。
代々彦根藩主を勤めた「井伊家」に関する資料や、彦根に関する資料などを収蔵・展示している。
本施設の設計は、数奇屋建築の第一人者として知られる建築家「早川正夫」が担当。
通常、史跡に新しい建物は建設しないというのが国の方針であったが、彦根市の熱意が伝わったのか、彦根城表御殿の当時の姿を正確に復原することなどを条件として、博物館の建設が承認された。
そのため、本施設は当時の彦根城表御殿を「古絵図」などを基に再現した、趣のある建築物となっている。
9.かわらミュージアム【出江寛】

かわらミュージアムは、国内でも稀な「瓦」をメインテーマとする博物館として、滋賀県近江八幡市に建設された施設である。
館内では、「八幡瓦」の展示や「八幡の歴史」に関する展示などを行っているが、そもそも建物自体が伝統的な瓦屋根でできた展示物のようにもなっている。
本施設は、竹中工務店に勤務後独立を果たした建築家「出江寛」が設計を担当。
施設全体は、白壁と瓦屋根の対比が魅力的な複数の棟が、前面の八幡掘に沿う形で配置されており、瓦屋根の重層が街並みと呼応する魅力的な外観を作り出している。
10.滋賀県立大学【内井昭蔵など】

滋賀県立大学は、滋賀県彦根市八坂町に建つ日本の公立大学である。
本施設は、建築家「内井昭蔵」がマスターアーキテクトとして計画全体を監修しながら、長谷川逸子・坂倉建築研究所・大江匡・浦辺設計など、複数の建築家・建築事務所がそれぞれの棟を建設する形で計画が進められた。
上の写真は、坂倉建築研究所によって設計された、図書館・講義室・実験室などが入る滋賀県立大学のメイン棟である。
この建物は、大きなセンター広場を囲うようにして、切妻屋根を持った複数の棟が並べられた全体構成となっており、大学施設らしい賑わいのある豊かな空間を作り出している。
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今回はこれで以上になります。
最後までご覧いただきありがとうございました。