ピーター・アイゼンマンの建築作品4選【人物像・代表作などを解説】

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みなさんこんにちは、本サイト「建築LIFE」を運営しているたけです。

今回は、脱構築主義を代表するアメリカの建築家「ピーター・アイゼンマン」の建築作品4選をご紹介したいと思います。

現代建築を牽引する世界的建築家です。

是非最後までご覧ください。

目次

ピーター・アイゼンマンとは?

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  • 1932年 アメリカに生まれる
  • 1955年 コーネル大学卒業
  • 1960年 コロンビア大学大学院修了
  • 1960年 ケンブリッジ大学(~63年)
  • 1967年 建築都市研究所 (IAUS) を設立

ピーター・アイゼンマンは、アメリカを拠点に、世界各国で革新的な建築作品を数多く手掛ける建築家である。

1980年代頃に登場した建築思潮「脱構築主義」の先駆者でもあるアイゼンマンは、モダニズム以後の現代建築界を牽引した建築家としても知られている。

代表作には、虐殺されたユダヤ人のための記念碑である「ホロコースト記念碑」や、人工丘のようなスペインの複合施設「ガリシア文化都市」などが挙げられる。

また、アイゼンマンが初期に手がけた「住宅シリーズ」では、モダニズムが前提とした機能性や社会性といった要素を完全に退け、一から建築の形態と機能の関係性を再構築(脱構築)したことでも知られている。

ピーター・アイゼンマンの建築作品4選

1.虐殺されたヨーロッパのユダヤ人のための記念碑

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  • 設計:ピーター・アイゼンマン
  • 住所:ドイツ・ベルリン
  • 竣工:2005年
  • 用途:記念碑
  • URL:建築詳細ページ

虐殺されたヨーロッパのユダヤ人のための記念碑(ホロコースト記念碑)は、第二次世界大戦中にホロコースト(大量虐殺)によって殺されたユダヤ人の追悼を目的として、2005年に建設された記念碑である。

記念碑全体は、2700を超えるコンクリートの量塊が、2万㎡近くある広大な敷地に整然と並べられた構成となっている。

コンクリートの平面サイズはどれも「2.38×0.9m」で統一されているが、高さは「0~4.7m」と変化に富んでいる。

訪れた人々は、このコンクリートの隙間を自由に歩き回ることができるのだが、その異様な空間体験からは、恐怖や不安を感じる人も少ないくないという。

ちなみに、この敷地の地下には、ホロコーストに関する情報センターが埋め込まれている。

建築詳細ページ

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2.ガリシア文化都市

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  • 設計:ピーター・アイゼンマン
  • 住所:スペイン
  • 竣工:不詳
  • 用途:図書館・博物館など

ガリシア文化都市は、図書館・博物館・カルチャーセンター・レストランといった複数の機能を内包する、スペイン北西部に建つ複合文化施設である。

建築全体は、地形から連続するような曲面屋根によってボリュームが立ち上げられ、周囲の山並みと融合してしまうような、有機的な形態を作り出している。

アイゼンマンは、脱構築主義の先駆者として知られている建築家であるが、この作品からは、脱構築主義を超越した自然回帰的な特徴が散見される。

また、このような地面から地形が連続したような建物は、21世紀になると、伊東豊雄の「ぐりんぐりん」や、SANAAの「ロレックスラーニングセンター」、西沢立衛の「豊島美術館」など、数多くの建築家が手がけていくこととなる。

3.ステートファーム・スタジアム

  • 設計:ピーター・アイゼンマン
  • 住所:アメリカ・アリゾナ州グレンデール
  • 竣工:2006年
  • 用途:スタジアム
  • URL:参考ページ

ステートファーム・スタジアムは、アメリカ南西部の「アリゾナ州・グレンデール」という砂漠地帯の街に建つ、全天候型のスタジアム建築である。

このスタジアムでは、アメリカで最も人気のあるスポーツ・NFLの優勝決定戦「スーパーボウル」が2008年・2015年・2023年の三度にわたり開催されており、アメリカを代表するスタジアムとして知られている。

建築全体は、巨大な楕円形平面をしており、側面は金属パネルに覆われ、UFOのような独特な外観を形成しているが、これは周囲に生えている「サボテン」をモチーフにしたらしい。

屋根は開閉式となっているが、光を透過する膜材が用いられているため、屋根を閉めた状態でも内部は明るい光に包まれる構成になっている。

4.ウェクスナー芸術センター

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  • 設計:ピーター・アイゼンマン
  • 住所:アメリカ・オハイオ州コロンバス
  • 竣工:1989年
  • 用途:アートギャラリー

ウェクスナー芸術センターは、アメリカ北東部の街・オハイオ州コロンバスに位置する「オハイオ州立大学」のアートギャラリーとして建設された建築物である。

この建物の東西には、コンサートホールと講堂が建てられており、その両者の建物の間を縫うようにして細長いアートギャラリーが建てられている。

そして、この建築最大の特徴は、建物を貫通するように一直線に設置された「白い立体格子」である。

屋根も壁も設置されていない単なる骨組みとしての立体格子ではあるものの、この無意味に思える要素によって、建築に多様な空間が生み出されている。

脱構築主義者であるアイゼンマンらしい建築作品だ。

ピーター・アイゼンマンの関連書籍

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今回はこれで以上になります。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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