みなさんこんにちは、本サイト「建築LIFE」を運営しているたけです。
今回は、フランク・ロイド・ライトの愛弟子として知られる「遠藤新」の建築作品4選をご紹介したいと思います。
ライトの使徒と呼ばれるほど、ライト建築に傾倒した人物です。
是非最後までご覧ください。
遠藤新とは?
遠藤新の経歴
- 1889年 福島県に生まれる
- 1914年 東京帝国大学建築学科卒業
- 1915年 明治神宮造営局勤務
- 1917年 フランクロイドライトと共に渡米
- 1922年 遠藤新建築創作所設立
- 1933年 旧満州へ渡る
- 1951年 逝去(62歳)
遠藤新は、近代建築三大巨匠の一人「フランク・ロイド・ライト」の愛弟子として知られる建築家である。
1917年、ライトが「帝国ホテル」の設計準備で日本に来日していた際に弟子入りし、その年のうちに共に渡米。米国では、ライトが開いていた建築学校「タリアセン」で共同生活をしながら、建築やライトの思想について深く学んでいる。
これらの経緯から、遠藤新の作品にはライトの思想が全面的に取り入れられており、「ライトの使徒」と呼ばれるほど、ライト建築を忠実に継承している。
そんな遠藤新の代表作には「自由学園明日館講堂」や「葉山加地邸」などが挙げられ、ライト建築の継承者らしい作品を数多く残している。
遠藤新の建築作品4選
1.自由学園明日館講堂
- 設計:遠藤新
- 住所:東京都豊島区西池袋2-20
- 竣工:1927年
- 用途:講堂
- URL:公式ページ
自由学園明日館講堂は、ライトが基本設計を行った「自由学園明日館(1921年)」の機能を拡大する形で、南隣にの敷地に建てられた講堂建築である。
明日館では、ライトの基本設計を基に遠藤新が実施設計を行っていたが、講堂では基本設計から実施設計まですべて、遠藤新が担当している。
一方で、設計者は違えど、ライトの思想を忠実に継承した遠藤新の作風はライトとほぼ同一で、高さを抑え水平性を強調した構成など、ライト初期の「プレーリースタイル(草原様式)」の特徴が随所にみられる。
明日館を構成する「中央棟」「西教室棟」「東教室棟」並びに「講堂」は、1997年国の重要文化財に指定されている。
2.加地利夫別邸(現・葉山加地邸)
- 設計:遠藤新
- 住所:神奈川県三浦郡葉山町
- 竣工:1928年
- 用途:住宅(現・宿泊施設)
- URL:公式ページ
加地利夫別邸は、加地利夫という人物の邸宅として、1928年神奈川県葉山町に建設された住宅建築である。
ライト初期の設計スタイル「プレーリースタイル(草原様式)」を用いた建築作品となっており、低く水平に伸びる軒が、ライト建築を彷彿とさせる独特な外観を作り出している。
2017年には、その歴史的価値が認められ、国の登録有形文化財にも登録されている。
現在、加地利夫別邸は、2020年に大幅な改修などが行われ、宿泊施設「葉山加地邸」として生まれ変わっている。
3.甲子園ホテル(現・甲子園会館)
- 設計:遠藤新
- 住所:兵庫県西宮市戸崎町1-13
- 竣工:1930年
- 用途:ホテル(現・ホール)
- URL:公式ページ
甲子園ホテルは、1930年に関西屈指のリゾートホテルとして建設された宿泊施設である。
低く抑えた軒庇による水平ラインの強調や、幾何学を用いた装飾、日本的な意匠を取り入れた構成など、ライト建築で見られる諸要素によって全体が構成されている。
その堂々とした佇まいは、ライトの最高傑作「旧帝国ホテル」を彷彿とさせる。
甲子園ホテルは現在、武庫川女子大学の「甲子園会館」として機能しており、2009年には国の登録有形文化財にも登録されている。
4.目白ヶ丘教会
- 設計:遠藤新
- 住所:東京都新宿区下落合2-15-11
- 竣工:1950年
- 用途:教会
- URL:公式ページ
目白ヶ丘教会は、遠藤新晩年の代表作として知られる、東京都新宿区に建つ教会建築である。
日本伝統の切妻屋根で建物全体を覆いつつ、東面北端には、尖頭アーチ型をした鐘楼が屋根に貫入している。
さらに、建物内部は「大きな2つのアーチ型の梁」によって緩やかに空間が3分割されているのだが、遠藤新はこの構造を「三枚おろし」と名付けている。
三枚おろしは、ライト建築には見られない、遠藤新が独自に生み出した構造形式である。
2011年には、国の登録有形文化財にも登録された、遠藤新の代表作である。
遠藤新の関連書籍
今回はこれで以上になります。
最後までご覧いただきありがとうございました。