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21_21DESIGN SIGHT【安藤忠雄】

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21_21DESIGN SIGHTとは?

21_21DESIGN SIGHTとは、東京ミッドタウン内「ミッドタウン・ガーデン」の中に建つ、デザイン専門施設である。

日本のデザイン文化促進を目的として、デザインに関する企画展、リサーチ、ものづくりなどの活動が複合的に行われている。

設計を務めたのは、建築家安藤忠雄。

設計コンセプト「日本の顔としての建築」

このコンセプトを基に、54mに及ぶ1枚の鉄板による構成や、日本一長い複合ガラスなど、世界屈指の技術が集結している。

名称の由来

英語で20/20vision(sight)と書くと、優れた視力を意味する。

そこから、今より一つ先を見通してデザインを見ていく場となることを願い、21_21DESIGN SIGHTと名付けられた。

たけひこ
たけひこ

そんな、21_21DESIGN SIGHTについて今回ご紹介します!

安藤忠雄とは?

  • 1941 大阪市港区に生まれる
  • 1969 安藤忠雄建築研究所設立
  • 1976 日本建築学会賞を受賞
  • 1989 ハーバード大学客員教授
  • 1997 東京大学教授就任
  • 2012 国立競技場 審査委員長

建築に関わる者であれば、一度は耳にしたことがあるだろう建築家安藤忠雄。

安藤氏は大学には行かず独学で建築を学び、日本のみならず世界でも活躍されている特異な経歴の持ち主である

代表作としては、「住吉の長屋」「光の教会」などが挙げられ、コンクリート打ち放しの建築が象徴的である。

建築の特徴

21_21DESIGN SIGHTの建築的特徴としては、次のような点が挙げられる。

  1. 東京ミッドタウン内に位置するデザイン施設
  2. 高さの低い2棟構成
  3. 一枚の鉄板による大屋根
  4. 中央で向き合った入口
  5. 内部の広々とした地下空間
  6. 三角形の開口部にはめられた複層窓
  7. ショップ横にあるスリット状の窓

東京ミッドタウン内に位置するデザイン施設

東京ミッドタウンとは、東京都港区赤坂にある、超大型複合施設のことである。

オフィスやホテル、レストラン、美術館、公園・緑地など、様々な施設が集まり、1つのタウンを形成している。

施設の中核となるミッドタウンタワーは、高さ248.1mに及び、東京都内で2番目の高さを誇る。

高さの低い2棟構成

この建物が建つ敷地は、東京ミッドタウン内の都市計画に指定された公開空地であるため、面積や高さ・緑地率など、様々な建築的制限が課せられた。

公開空地とは、都市の環境をよくするために建物を建設しないように定められた空地のことである。

この厳しい制限を考慮した結果、写真のように高さを5m以下に抑えた2棟構成となった。

一枚の鉄板による大屋根

この建築の最大の特徴は、コンクリートの建物の上に乗った、1枚の鉄板による大屋根である。

コンセプト

1枚の布が、着る人間に合わせて様々な形態を作り出すように、1枚の鉄板が、内部の様々なデザイン活動に適合していく

この大屋根は、全長約54mに及ぶ前例のない構成だったため、技術的にもかなり難易度の高いものであったそう。

中央で向き合った入口

2棟の建物の玄関口は、中央で向かい合うように配置されている。

この構成によって、2棟間での関連性が生まれ、一体となった建物の活用が可能に。

さらに、建物の間を抜けると、裏の道まで繋がっており、回遊性のある建物構成ともなっている。

内部の広々とした地下空間

21_21DESIGN SIGHの内部には、大きな地下空間が広がっている。

敷地が都市計画による公開空地であるため、地上部には高さを出すことができない。

そうすると、内部の空間を確保するためには必然的に、大きな地下空間を作ることとなる。

このプロセスで生まれた広大な地下空間は、外観の低さとコントラストとなり、訪れた人を魅了する。

写真右側の外部空間は、地下に光を取り込むために設けられた「ドライエリア」となっている。

三角形の開口部にはめられた複層窓

photo by Wpcpey/CC 表示-継承 4.0/

特徴的な鉄板の大屋根は、一部が床面まで傾斜している。

この構成によって、特徴的な三角形の開口部ができ、そこから外の景色を眺めることができる。

また、この開口部の窓は、長さ11.4mに及ぶ、日本一長い複層ガラスによる窓となっている。

複層ガラスとは?

複層ガラスとは、2枚のガラスの間に空気層が存在するガラスのこと。

この空気層によって断熱効果が高まったり、結露を防ぐなどのメリットがある。

ショップ横にあるスリット状の窓

正面右側にある棟に入ると、最初にショップが現れる。

この空間横の壁には、人の目線の高さに、横に長いスリット状の開口が存在し、内外を断片的に繋いでいる。

この横に伸びたスリット窓が、建物の水平方向の伸びが強調している。

建築概要

  • 所在地:東京都港区赤坂9-7-6
  • 竣工 :2007年2月
  • 用途 :デザイン文化交流施設
  • 構造 :RC造 S造
  • 高さ :4.8m
  • 階数 :地下1階 地上1階
  • 設計 :安藤忠雄建築研究所
  • 施工 :竹中・大成建設

施設概要

  • Tel    :03-3475-2121
  • 休館日 :火曜日、年末年始、展示替え期間
  • 営業時間:11:00 – 18:00
  • 料金  :一般1,200円、大学生800円、高校生500円、中学生以下無料
  • アクセス:千代田線「乃木坂」駅より徒歩5分
  • URL  :21_21 DESIGN SIGHT (2121designsight.jp)

最後に・・・

以上が21_21DESIGN SIGHTの特徴でした。

公共空地という、条件の厳しい状況下であることで生み出された、特徴的な建物になっていました。

たけひこ
たけひこ

東京ミッドタウンを訪れる際は、是非21_21DESIGN SIGHTに立ち寄ってみてください!!

ご覧いただきありがとうございました。

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