【建築特徴】トーレ・アグバール|ジャン・ヌーヴェル

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トーレ・アグバールとは?

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  • 設計:ジャン・ヌーヴェル
  • 住所:スペイン・バルセロナ
  • 竣工:2005年
  • 用途:オフィス・オーディトリアムなど

トーレ・アグバールは、アントニ・ガウディの建築作品が数多く存在することで知られるスペイン第二の都市「バルセロナ」のシンボルとして知られる超高層ビル建築である。

トーレ・アグバールという名は、スペイン語で塔を意味する「トーレ(torre)」と、バルセロナの水道会社の名称「アグバール(Agbar)」を組み合わせたものである。

建築の設計は、世界各地で数多くの大型プロジェクトを手掛けるフランスの建築家「ジャン・ヌーヴェル」が担当。

水道会社のオフィスビルとして建てられたトーレ・アグバールは、「水」という自然要素をモチーフとしてデザインされている。

そういわれてみると、確かにトーレ・アグバールの独特な形態は、噴水や間欠泉のようなイメージを誘発するし、不規則に仕上げられたファサード面は、風に揺らぐ水のようにも見える。

トーレ・アグバールの建築的特徴

スペイン・バルセロナのシンボル建築

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首都マドリードに次ぎスペイン第2位の人口を誇る、魅力にあふれた街「バルセロナ」。

アントニ・ガウディによる建築作品が数多く存在することでも知られるバルセロナの街には、かの有名なサグラダ・ファミリアの他にもう一つ、シンボリックな超高層建築が佇んでいる。

そう、その建物こそ今回紹介する超高層ビル「トーレ・アグバール」である。

トーレ・アグバールの高さは144.4m。172.5mのサグラダ・ファミリアには及ばないものの、バルセロナ第3位の高さを誇っている。

ジャン・ヌーヴェルの代表作

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ジャン・ヌーヴェルは、建築界のノーベル賞とも言われる建築賞「プリツカー賞」を2008年に受賞した、フランスを代表する世界的建築家である。

1987年パリに竣工した文化施設「アラブ世界研究所」によって、ジャン・ヌーヴェルの名は世界に轟き、その後も世界各地で前衛的な建築作品を数多く手がけている。

そんな世界的建築家ジャン・ヌーヴェルの作品の中でも、トーレ・アグバールは彼の代表作の一つとして知られている。

「水」をモチーフとした形態

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トーレ・アグバールは、バルセロナの水道会社「アグバール」によって建設が依頼されたオフィスビルである。

ジャン・ヌーヴェルは、この水道会社のビルという要素を建築に反映させるべく、「水」という自然要素を建築デザインのモチーフに採用した。

一言で水と言っても「静寂な川の水」や「ダイナミックな滝の水」「荒々しい海の水」などその種類は様々である。

そんな中でジャン・ヌーヴェルが採用した水は、噴水や間欠泉などに代表される「下から上に吹き上がる種類の水」であった。

鮮やかな壁面とその壁面を覆うルーバー

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水をモチーフとしたトーレ・アグバールの外壁は、二重構造となっている。

奥の外壁は、赤や青といった鮮やかな色のパネルと四角形の小さな開口部がモザイク状に設置されており、ファーサード全体は、炎と水がせめぎ合うようなダイナミックな外観を示している。

一方で、その外壁の上には、無数のガラスのルーバーが設置されており、内部に入る光を調節する役割を果たしている。

ランダムに開いた開口部

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前項で述べた通り、トーレ・アグバールの外壁には四角形の開口部がランダムに開けられている。

この開口部が内部空間に様々な表情をもたらし、魅力的な光の空間を作り出している。

このような、光を巧みに利用した空間構成は、ジャン・ヌーヴェルが得意とする設計手法である。

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