みなさんこんにちは、本サイト・建築LIFEを運営している「たけ」と言います。
今回は、岩手県の県庁所在地である「盛岡市」内に建つ、魅力的な美術館・博物館6選をご紹介したいと思います。
盛岡市には、20世紀初頭に建てられた日本の近代化を象徴するような建築物から、盛岡市出身の歌人・石川啄木に関する文学館まで、多種多様な美術館・博物館が揃っています。
本記事では、それらの魅力的な美術館・博物館の特徴や展示品などを紹介しているので、盛岡を観光する際には是非参考にしてみてください。
では早速本題に移ります。
盛岡市内にある美術館・博物館6選【歴史的建造物~科学館まで】
1.岩手銀行赤レンガ館【辰野金吾】

- 展示:歴史ある建物自体の展示
- 設計:辰野金吾
- 竣工:1911年
- 用途:展示室・多目的ホール
- 住所:岩手県盛岡市中ノ橋通
- URL:公式ページ
岩手銀行赤レンガ館は、1911年岩手県盛岡市に「盛岡銀行本店」として建設された銀行店舗であり、現在は多目的ホールや展示施設として利用されている。
本施設では、歴史ある建物自体が展示物のようなものとなっているが、内部にある展示室や多目的ホールでは定期的に「演奏会」や「展示会」などのイベントが行われている。
本建築の設計は「東京駅」や「日本銀行本店」など歴史主義建築を数多く手がけたことで知られる建築家「辰野金吾」が担当。
建築としては、通称「辰野式」と言われる、赤レンガに白い花崗岩を帯状にめぐらせたデザインが特徴的で、代表作『東京駅』にも採用された辰野金吾お得意のデザインとなっている。
2.岩手県立美術館【日本設計】
- 展示:岩手県にゆかりのある作家の作品
- 竣工:2000年
- 用途:美術館
- 住所:岩手県盛岡市本宮字松幅12-3
- URL:公式ページ
岩手県立美術館は、萬鐵五郎・松本竣介・舟越保武など、岩手県にゆかりのある作家の作品の収集・展示を目的として、2000年に建設された公立美術館である。
本建築の設計は、日本最大手の組織設計事務所「日本設計」が担当。
本施設の前面には、円形状に広がる緑豊かな中央公園が存在しており、この円形公園の曲線に沿うように湾曲した空間「グランドギャラリー(写真1枚目)」が施設内には設けられている。
このグランドギャラリーは、ロビーやラウンジ的な役割を果たしつつ、場合によっては作品を展示することも可能なフレキシブルな大空間となっている。
3.岩手県立博物館【佐藤武夫】




- 展示:岩手県の地質・歴史・民俗などの資料
- 設計:佐藤武夫設計事務所
- 竣工:1980年
- 用途:博物館
- 住所:岩手県盛岡市上田字松屋敷
- URL:公式ページ
岩手県立博物館は、岩手県の県制百年を記念して1980年に開館した総合博物館である。
本施設の設計は、日本の大手組織設計事務所「佐藤総合計画」の生みの親である建築家「佐藤武夫」が担当。
本施設の全体像としては、箱型のシンプルな形態となっているが、一カ所だけ「大きなゲート」のようになった構造体が存在する面があり、このゲートは来場者を迎え入れる装置として機能している。
また、外壁には「窯変リブ付大型特焼きタイル」というものが打ち込まれており、これは南部赤松の幹を感じさせる色彩を持つタイルであり、周囲の自然環境に建築を調和させる効果をもたらす。
4.盛岡市子ども科学館【佐藤武夫】




- 展示:体験型の科学作品を展示
- 設計:佐藤武夫設計事務所
- 竣工:1983年
- 用途:博物館
- 住所:岩手県盛岡市本宮蛇屋敷
- URL:公式ページ
盛岡市子ども科学館は、楽しみながら科学を学ぶことのできる体験型科学館として、1983年・岩手県盛岡市に開館した博物館建築である。
本施設の設計は、日本の大手組織設計事務所「佐藤総合計画」の生みの親である建築家「佐藤武夫」が担当。
上空写真を見るとわかりやすいのだが、建物全体としては、三角形の翼のような形態をしたボリュームの中央部分に、球体状のプラネタリウム空間が設置されており、その組み合わせがダイナミックな外観を形成している。
5.石川啄木記念館【設計者不明】
- 展示:石川啄木に関する資料
- 設計:不明
- 開館:1986年(本館)
- 用途:文学館
- 住所:岩手県盛岡市渋民字渋民
- URL:公式ページ
石川啄木記念館は、近代日本を代表する歌人「石川啄木」の顕彰を目的として、1970年に開館した文学館である。(現在の新館は1986年に竣工)
本施設は、展示室などが入る「本館」、石川啄木が住んでいた「旧斉藤家」、石川啄木の母校である「旧渋民尋常小学校」の3つの棟によって構成されており、それぞれが独立して存在している。
ちなみに「旧斉藤家」と「旧渋民尋常小学校」は、石川啄木にゆかりのある施設という理由から、本敷地内に移築されたもので、どちらも盛岡市指定文化財に指定されている。
6.もりおか啄木・賢治青春館【横濱勉】
- 展示:石川啄木と宮沢賢治に関する展示
- 設計:横濱勉
- 竣工:1910年
- 用途:文学館
- 住所:岩手県盛岡市中ノ橋通
- URL:公式ページ
もりおか啄木・賢治青春館は、1910年に「第九十国立銀行」として建設された建物を保存し、岩手県出身の詩人である「石川啄木」と「宮沢賢治」に関する資料を保管・展示する施設として新たに開館した文化施設である。
本施設内では、石川啄木と宮沢賢治に関する資料はもちろんのこと、彼らが育った盛岡市の街並みを再現した「ジオラマ模型」なども展示されている。
本施設の設計は、盛岡出身の若き設計技師「横濱勉」が担当。
建築としては、ドイツ・ロマネスク様式(11-12世紀)の意匠が随所に取り込まれた優美な外観を呈しており、当時日本で主流だった日本建築の近代化(西洋化)を象徴するような建物となっている。
ちなみに、もりおか啄木・賢治青春館の前身である「旧第九十銀行本店本館」は、日本の近代建築史上で重要な作品として、国の重要文化財に指定されている。
以上!
今回はこれで以上になります。
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