みなさんこんにちは、本サイト「建築LIFE」を運営しているたけです。
今回は、東京丸の内という高層オフィスビル街に建つ「三菱一号館美術館」の歴史や建築的特徴などを解説していきたいと思います。
明治時代に建てられた洋風事務所建築を復元した歴史のある建築物です。
是非最後までご覧ください。
三菱一号館美術館の概要

三菱一号館美術館は、東京千代田区丸の内という日本屈指のオフィスビル街に建つ美術館である。
本美術館は、1894年にイギリス人建築家・ジョサイア・コンドルの手によって設計された「三菱一号館」を復元する形で開館している。
復元設計は、日本の大手組織設計事務所「三菱地所設計」が担当。
明治期に建てられた赤煉瓦造の洋風建築が、解体から40年あまりの時を経て、ここ丸の内の地に美術館として復活したのである。
設計者:三菱地所設計とは?
- 1890年 丸ノ内建築所設置
- 1893年 三菱合資会社設立
- 1937年 三菱地所設立
- 2001年 株式会社三菱地所設計設立
三菱地所設計は、東京都千代田区丸の内に本社を置く、日本の大手組織設計事務所である。
建築以外にも、土木の設計や監理、コンサルティング業務、都市開発業務などを幅広く行っている。
代表作としては「横浜ランドマークタワー」「新丸の内ビルディング」などが挙げられ、数多くの高層建築を手掛けていることでも知られている。
三菱一号館美術館の建築的特徴
1894年に建てられた洋風事務所建築の復元

三菱一号館美術館は、1894年(明治27年)に竣工した「三菱一号館」を復元した建築物である。
三菱一号館の設計は、開国後の日本に西洋建築学を伝えたとされるイギリス人建築家「ジョサイア・コンドル」が担当。
建築としては、建設当時イギリスで流行していたという「クイーン・アン様式」が用いられた洋風建築となっている。
クイーン・アン様式を基本とした洋風建築

クイーン・アン様式とは、18世紀前期・アン女王の時代に生まれた建築・家具の様式を指す言葉だ。
クイーン・アン様式の建築は、赤煉瓦・シンメトリー(アシンメトリーの場合もある)・ペディメントなどの特徴が存在し、重厚感と軽快さを兼ね備えた構成が象徴となっている。
三菱一号館でも、赤煉瓦による重厚感のある本体と、天に伸びるような鋭い軽快な屋根が象徴的な存在感を示している。
19世紀末の西洋美術品などを取り扱う美術館

三菱一号館美術館では、コンドル設計の三菱一号館が竣工したのと同時期・19世紀末に生み出された西洋美術品をメインに展示等を行っている。
特に、フランスの画家「アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック」の作品を数多く収蔵しているという。
常設展は行っておらず、年に3回程企画展を実施している。
美術と自然が共存する中庭空間


道路側から見るとわかりずらいのだが、三菱一号館美術館と背後にそびえたつ丸の内パークビルディングの間には、緑豊かな中庭空間が展開されている。
この中庭と丸の内パークビルディング、そして三菱一号館美術館などを合わせた施設一帯は「丸の内ブリックスクエア」という名称がつけられており、一体的な再開発が行われている。
さらに、中庭内には緑の他に彫刻作品なども展示されており、丸の内という高層ビル街に、美術と自然であふれた豊かなオアシス空間を提供している。
丸の内・有楽町の有名建築物

今回はこれで以上になります。
最後までご覧いただきありがとうございました。