【建築特徴】バイエラー財団美術館|レンゾ・ピアノ

photo by MayaSchmieder/CC 表示-継承 3.0
目次

バイエラー財団美術館とは?

  • 設計:レンゾ・ピアノ
  • 住所:スイス リーエン
  • 竣工:1997年
  • 用途:美術館
  • 展示:印象派・キュビスム・現代アートなど

バイエラー財団美術館は、美術商として名を馳せたバイエラー夫妻のコレクションを展示するための施設として、1997年スイスのリーエンという街に建てられた美術館建築である。

コレクションとしては、モネに代表される印象派の作品や、ピカソのキュビスム作品、そのほかにも様々な現代アート作品などを豊富に展示している。

建築の設計は、ポンピドゥー・センターで一躍時の人となったイタリア出身の建築家「レンゾ・ピアノ」が担当。

建築全体は、赤い石の外壁とその上に乗る2層のガラスの屋根によって構成されており、周囲の豊かな緑と自然に調和するような落ち着いた佇まいを呈している。

また、内部の展示空間には、2層のガラス屋根を通って均質化された柔らかい自然光が降り注ぎ、光で満ちた豊かな鑑賞空間が生み出されている。

バイエラー財団美術館の建築的特徴

スイス郊外の街・リーエンに建つ美術館

photo by PantaRhei/CC 表示-継承 4.0

フランス・ドイツ・スイスという三国の国境近くに位置する、スイス郊外の街「リーエン」。

周囲を豊かな緑に囲まれた魅力的な街リーエンには、ポツリと一つの美術館が佇んでいる。
そう、その美術館こそ今回紹介する「バイエラー財団美術館」である。

バイエラー財団美術館は、美術商として名を馳せたバイエラー夫妻のコレクションを収蔵・展示するための施設として1997年に開館。

キュビスムを代表するピカソの作品や、印象派のモネの作品、さらには現代アート作品まで、バイエラー夫妻が収集してきた近現代における貴重な芸術作品の展示を行っている。

レンゾ・ピアノの代表作

photo by Columbia GSAPP/CC 表示 2.0

バイエラー財団美術館の設計を務めたのは、イタリア出身の世界的建築家「レンゾ・ピアノ」である。

レンゾ・ピアノは、1977年に竣工したハイテク建築「ポンピドゥー・センター」で一躍時の人ととなり、その後も世界各地で数多くの革新的な建築作品を手がけている。

ポンピドゥー・センターなど彼のハイテク建築に比べると、バイエラー財団美術館は割と落ち着いた外観を示しているが、詳細をみるとやはりハイテク建築家としてのピアノの設計スタイルが随所に現れた作品となっている。

赤い石の外壁と2層のガラス屋根

photo by MayaSchmieder/CC 表示-継承 3.0

バイエラー財団美術館全体は、細長い敷地に直方体型のボリュームを配置した、リニアな構成となっている。

そして、その建物全体は「赤い石の外壁」と「2層のガラス屋根」によって覆われており、周囲の風景に自然と溶け込むような落ち着きのある外観を作り出している。

この全体構成だけを見ると、本当にハイテク建築家レンゾ・ピアノの作品なのかと疑いたくなるような構成となっている。

優しい光に包まれた展示空間

photo by PantaRhei/CC 表示-継承 4.0

先ほども述べた通り、バイエラー財団美術館の建物上部には「2層のガラス屋根」が設置されている。

この2層のガラス屋根があることによって、内部の展示空間には均質化された自然光が降り注ぎ、柔らかい光に包まれる居心地のいい鑑賞空間が生み出されている。

レンゾ・ピアノはこの美術館で、自然光をいかにして取り込むかについて、入念な検討を繰り返したという。

建物の床から連続する池

photo by Jean-Pierre Dalbéra/CC 表示 2.0

長方形平面をしたバイエラー財団美術館の短辺部分には、上の写真の通り、建物の床から連続するように睡蓮が浮かぶ池が設置されている。

このような、池と建築、自然と人工の融合を見ると、外壁や柱を覆っている赤い石のタイルが、自然でも人工でもある中性的な要素として良い味を出していいる感じがする。

リーエンという自然豊かな街だからこそ生まれた構成なのだろう。

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