皆さんこんにちは、本サイト「建築LIFE」を運営しているたけです。
今回は、手塚貴晴と手塚由比による建築事務所「手塚建築研究所」の建築作品4選をご紹介したいと思います。
幼稚園など地域に根差した建物から、渋谷の複合ビルまで、多種多様な建築作品を手がける建築事務所です。
是非最後までご覧ください。
手塚建築研究所(手塚貴晴+手塚由比)とは?
手塚貴晴の経歴
- 1964年 東京に生まれる
- 1987年 武蔵野工業大学卒業
- 1990年 ペンシルバニア大学大学院修了
- 1990年 リチャード・ロジャース事務所勤務
- 1994年 手塚建築企画を共同設立
- 1996年 武蔵野工業大学専任講師
- 1997年 手塚建築研究所に改称
- 2009年 東京都市大学教授
手塚由比の経歴
- 1969年 神奈川県に生まれる
- 1992年 武蔵野工業大学卒業
- 1992年 ロンドン大学バートレット校
- 1994年 手塚建築企画を共同設立
- 1997年 手塚建築研究所に改称
- 1999年 東洋大学非常勤講師
- 2001年 東海大学非常勤講師
手塚建築研究所は、武蔵野工業大学を卒業した建築家「手塚貴晴」と「手塚由比」によって、1994年に設立された建築設計事務所である。
代表作としては、日本建築学会賞作品賞など数多くの建築賞を受賞している「ふじようちえん」や、グッドデザイン賞金賞を受賞した「あさひ幼稚園」などが挙げられる。
代表作を見てもわかる通り、子どもに関する施設を数多く手がけている建築事務所である。
また、近年は設計活動以外にも、OECD(経済開発協力機構)より依頼を受け、国内外各地にて子供環境に関する講演会を行うなど、活動の幅を広げている。
手塚建築研究所(手塚貴晴+手塚由比)の建築作品4選
1.ふじようちえん
- 設計:手塚建築研究所(手塚貴晴+手塚由比)
- 住所:東京都立川市
- 竣工:2007年1月
- 用途:幼稚園
- URL:建築詳細ページ
ふじようちえんは、OECD(世界経済協力機構)によって、世界で最も優れた学校だと認定された、東京都立川市に建つ幼稚園である。
施設全体は、中庭と屋上デッキをもった楕円形のドーナツ型にすることで、子供たちが元気に遊びまわれる回遊的な建築空間を作り出している。
さらに、楕円形の屋根には、3本ほどケヤキの木が貫通しており、内部でも自然を享受できる豊かな空間が生み出されいている。
この幼稚園は、2008年に日本建築学会賞作品賞を受賞している。
2.十日町市立里山科学館
- 設計:手塚建築研究所(手塚貴晴+手塚由比)
- 住所:新潟県十日町市松之山松口
- 竣工:2003年5月
- 用途:博物館
- URL:公式ページ
十日町市立里山科学館は、日本有数の豪雪地帯として知られる新潟県十日町市に建つ、自然科学をテーマにした博物館建築である。
建築全体は、くねくねと蛇行する蛇のような平面形状をしており、先端に配置された展望台を含めると、全長はなんと160mにも及ぶ。
さらに、建物全体は、重さ約2000トンにも及ぶ耐候性鋼板(コールテン鋼)という金属板で覆われており、サビて赤茶色になった外壁が独特な雰囲気を醸し出している。
しかし、このサビは悪いサビではなく、あえて表面をサビさせることで内部の腐食を防いでいるのである。
3.あさひ幼稚園
- 設計:手塚建築研究所(手塚貴晴+手塚由比)
- 住所:宮城県本吉郡南三陸町志津川字天王山
- 竣工:2012年(1期)・2016年(2期)
- 用途:幼稚園
- URL:公式ページ
あさひ幼稚園は、2012年に東日本大震災復興事業の一環として、宮城県南三陸町の高台に建設された幼稚園建築である。
仮設幼稚園として建設された建物ではあったが、被災した樹齢300年を超えるスギ材を利用した本格的な建築物であり、その資金は、サッカーの長谷部誠選手や日本ユニセフ協会から寄せられていた。
そんな、本格的な幼稚園は、南三陸町の山の中腹に建てられていたのだが、その山を崩して住宅地を作るという開発事業が起こり、一時、あさひ幼稚園は取り壊しの危機に陥った。
しかし、手塚夫妻や南三陸町長などの働きかけにより取り壊しは中止なる。
それでも、山を崩すという開発事業自体は阻止できず、結果的にあさひ幼稚園が建つ敷地周辺だけが、まるで高台に建つお城のように、ぽつんと平地に取り残されたのである。
そして、2016年には、元々ここには山があったのだと主張するような敷地の傾斜を生かす形で、増築棟が建設されている。
4.渋谷フクラス
- 設計:手塚建築研究所(手塚貴晴+手塚由比)
- 住所:東京都渋谷区道玄坂1-2-3
- 竣工:2019年10月
- 用途:事務所・物販店舗・飲食店舗など
- URL:公式ページ
渋谷フクラスは、渋谷駅西口広場に面した位置に2019年に建設された、東急プラザ・オフィス・観光支援施設・バスターミナルなどの機能を内包する大型複合施設である。
手塚建築研究所の建築作品といえば、幼稚園などの地域に根差した作品が多い印象はあるが、今回は東京・渋谷という日本随一の都市で、アーバンデザインを担当している。
建築としては、サイズや色合いなどが様々な「ガラス」や「金属パネル」をファサードに張り付けることによって、人・車・建物など、様々な要素が複雑に絡まりあう「渋谷」という街を象徴的に表した外観を作り出している。
さらに、屋上には渋谷の街を一望できる「SHIBU NIWA」というパブリックスペースを設置。渋谷の街に立体的な広がりを作り出している。
手塚貴晴+手塚由比の作品集
参考サイト・書籍
- Profile‐手塚建築研究所
- ふじようちえん‐建築データ
- 越後松之山「森の学校」キョロロ‐建築データ
- サビ(耐候性鋼板)に覆われたミュージアム‐十日町市立里山科学館
- あさひ幼稚園 第二期‐建築データ
- 渋谷フクラス‐建築データ
本記事は、上記のサイトや書籍を参考に執筆しました。
今回はこれで以上になります。最後までご覧いただきありがとうございました。