谷尻誠とは?
- 1974年 広島県に生まれる
- 1994年 穴吹デザイン専門学校卒業
- 1994年 本兼建築設計事務所勤務
- 1999年 HAL建築工房勤務
- 2000年 吉田愛とSuppose design officeを設立
谷尻誠さんは、専門学校出身にもかかわらず、建築家として世界でも活躍されている人物である。
建築事務所は、同じ専門学校出身で、同い年でもある吉田愛さんと共に運営されている。
- 建築家
- 文筆家
- 起業家
など様々な面を持つ谷尻誠。
また、日本テレビの「世界一受けたい授業」に出演するなど、さらに活動の場を広げている。
そんな谷尻誠さんが設計した建築作品をご紹介します!
【代表作】建築家谷尻誠の建築作品7選
1.House T
- 所在地:東京都
- 竣工 :2020年8月
- 用途 :併用住宅
- 構造 :壁式鉄筋コンクリート造
谷尻誠氏の自邸として設計された「House T」
この住宅は敷地が都内ということもあり、土地建物で3億円程度必要になり、ローンを組んだという。
建築の特徴としては、開口部をできるだけ減らし光を絞ることによって、洞窟の中のように落ち着いた空間がつくられている。
さらに、天井と床にはルーバー状のパイプを設置。このパイプに「夏場は冷水」「冬場は温水」を流すことで、空調設備を必要としない空間となっている。
2.今治のオフィス


- 所在地:愛媛県今治市
- 竣工 :2012年10月
- 用途 :オフィスビル
- 構造 :鉄骨造 一部鉄骨鉄筋コンクリート造
この建築には、執務空間の周囲に「パーク」という空間広がっている。
「パーク」は以下のように、時間や状況に応じて名前や用途が変化する、柔軟な空間となっている。
- 入社時 → エントランス
- お昼 → 食堂
- 仕事時 → ミーティングスペース
もう一つ、この建築の魅力的な点として、吹き抜けと有機的なスロープによる空間がある。この構成によって、各階を緩やかに繋ぎつつ、一体感のある空間を作り出している。
3.ONOMICHI U2
ONOMICHI U2は、日本初のサイクリスト向けに特化した複合商業施設である。
併設されているホテルでは、全室自転車が持ち込み可能で、壁にはサイクルハンガーが設置されているという、サイクリストからするとこれ以上にない充実したホテルとなっている。
建築は、もともと倉庫として利用されていた建物を、構造体はそのまま残しつつ内部を改装することによって商業施設へと転用している。
具体的には、既存の鉄筋コンクリート造の柱の間に、新たな鉄骨造の小さな建物をいくつも作ることで、倉庫の中に尾道特有の小さな街並み風景を再現した建築物となっている。
4.東岡崎の家
- 所在地:愛知県岡崎市
- 竣工 :2020年10月
- 用途 :個人住宅
- 構造 :木造
この建築の最大の特徴は、外部空間まで広がっているキッチン兼リビングのような空間である。
この外部と内部のつながりによって、内部に風や光を取り入れつつ、閉鎖感のない住宅となっている。
さらに、外壁から飛び出たひさしによる外観は、五重塔のような安定感をもたらす。
また、内部には天井高が通常の2,3倍ほどある吹き抜けの空間が存在。これによって、一つの建物に空間的変化をもたらしている。
5.松本本箱
- 所在地:長野県松本市
- 竣工 :2020年07月
- 用途 :宿泊施設
- 構造 :鉄筋コンクリート造
松本本箱は、老舗旅館「小柳」を旅館の面影を残しつつ、本であふれる複合文化施設へとリノベーションした建物である。
施設内容としては、露天風呂付宿泊施設やレストラン、書店などが複雑に混ざり合うことで、ここにしかない魅力的な体験ができるホテルとなっている。
「松本本箱」という名前からもわかるように、本箱(本棚)が空間を作り出し、宿泊する人々の活動を促していく。
このように、「本」と「旅館」が融合した施設がこの松本本箱である。
6.hotel koe Tokyo
- 所在地:東京都渋谷区
- 竣工 :2018年02月
- 用途 :ホテル
- 構造 :内装設計
通常のアパレルショップは、1日の三分の一程度しか営業していない。しかし、これでは入居するブランドを十分に伝えられない。
このように考えて計画されたのが、ホテル兼アパレルショップ「hotel koe Tokyo」である。
ホテルでアパレルショップを展開することで、24時間にわたってkoeというブランドを一般のお客さんや宿泊しに来たお客さんに伝えることができる。
内装としては、木質の部分とコンクリートの部分の対比がおしゃれな空間になっており、木質大階段は、土日にライブなども行われ、賑わいの中心となっている。
7.千駄ヶ谷のトイレ


- 所在地:東京都渋谷区千駄ヶ谷1
- 竣工 :2020年7月
- 用途 :公衆トイレ
- 構造 :鉄筋コンクリート造
この公衆トイレの特徴は、コンクリートの外壁が50㎝地面から浮いていることである。
この構成よって内部と外部のつながりをつくり、トイレの閉鎖性を緩和している。
また、コンクリートの大きな箱という重厚感のあるものが浮いて見えることで、なんとも不思議な、興味を惹かれる建築となっている。
構造としては、大きな二本の柱から屋根部分が片持ち梁になっていて、その先端からコンクリートの壁がぶら下がっている。
最後に・・・
以上が建築家谷尻誠さんの建築作品7選でした。
「hotel koe Tokyo」や「千駄ヶ谷のトイレ」などのようにコンクリートと木材をうまく対比的に利用したかクールな建築が多くみられました。
是非、今回紹介した施設を一度訪れてみてください!!
ご覧いただきありがとうございました。