宮本忠長の建築作品5選【人物像・代表作などを解説】

長野市立博物館

みなさんこんにちは、本サイト「建築LIFE」を運営しているたけです。

今回は、長野県を拠点に活動した建築家「宮本忠長」の建築作品5選をご紹介したいと思います。

地域に根差した建築設計を行った建築家です。

是非最後までご覧ください。

目次

宮本忠長(みやもと ただなが)とは?

宮本忠長の経歴

  • 1927年 長野県に生まれる
  • 1951年 早稲田大学理工学部建築学科卒業
  • 1951年 佐藤武夫設計事務所入所
  • 1966年 宮本忠長建築設計事務所設立
  • 2016年 逝去(89歳)

宮本忠長は、出身地である長野県を基点として、地域に根差した建築設計活動を行う建築家である。

早稲田大学建築学科を卒業後、日本の大手組織設計事務所・佐藤総合計画の生みの親である「佐藤武夫」の事務所に勤務し、建築を学んでいる。

代表作には「長野市立博物館」「北斎館」などが挙げられ、長野県の公共建築を数多く手がけている。

宮本忠長氏は2016年に逝去されたが、事務所は存続。
東京都文京区小石川にも新しく事務所を設立し、活動の幅を広げている。

宮本忠長の建築作品4選

1.北斎館

photo by キャンター/CC 表示-継承 4.0
  • 設計:宮本忠長
  • 住所:長野県上高井郡小布施町
  • 竣工:1976年
  • 用途:美術館
  • URL;公式ページ

北斎館は、江戸時代後期の浮世絵師・葛飾北斎の作品を専門的に取り扱う、長野県小布施町に建つ美術館だ。

小布施町は、北斎が晩年を過ごした町であり、この地で数多くの大作を残したことから、小さい町である長野県小布施町に北斎専門美術館が建設される運びとなった。

北斎館が竣工したのは1976年。その後2度の増改築を行っており、3度目(2013年~2015年)の増改築の1年後に宮本忠長は逝去している。

つまり、宮本忠長の代表作であると共に、遺作としても知られている建築作品なのである。

東京都墨田区にある「すみだ北斎美術館」は、妹島和世が設計しているという事もあって、それなりに有名だが、北斎館の存在を知っている人はなかなか少ないのではないだろうか。

2.武石村ともしび博物館

  • 設計:宮本忠長
  • 住所:長野県上田市下武石
  • 竣工:1989年
  • 用途:博物館
  • URL:公式ページ

武石村ともしび博物館は、室町時代から2006年まで長野県に存在していた「旧武石村」の村制施行百周年を記念して1989年に開館した博物館である。

灯火器具の専門施設として、行灯や燭台、ランプなど数多くの灯火器具を収蔵・展示している。

建築としては、展示館・伝承館・茶室・体験館といった複数の独立した棟で全体が構成されており、それらの建物は敷地中央の大きな池を囲うように配置され、各棟は回遊通路によって結ばれている。

基本的に、どの棟も主要構造は鉄筋コンクリート造になっているが、回廊の柱や屋根、小屋といった部分には木造が採用されており、現代の技術で強固な建築物を作りつつ、外観は日本の伝統を踏襲した和風建築となっている。

3.長野市立博物館

photo by Qurren/CC 表示-継承 3.0
  • 設計:宮本忠長
  • 住所:長野県長野市小島田町
  • 竣工:1981年
  • 用途:博物館
  • URL:公式ページ

長野市立博物館は、1981年に長野市小島田町の「川中島古戦場史跡公園」内に建てられた公立博物館である。

長野盆地の歴史や民俗に関する資料などを中心に収蔵・展示している。

本建築は、背後に佇む山々と呼応するかのような形態を持った「大屋根」と、その大屋根を持ち上げる「コンクリート柱の連なり」が対比を成した、和洋折衷型の建築物となっている。

ちなみに大屋根には「コルテン鋼」という、表面にあえて錆の層を持たせることで本体がさびるのを防ぐことができる素材を使用しており、赤みがかった屋根が周囲の自然になじみ、いい味を出している。

4.松本市美術館

photo by 663highland/CC 表示-継承 4.0
  • 設計:宮本忠長
  • 住所:長野県松本市中央4-2-22
  • 竣工:2002年3月
  • 用途:美術館
  • URL:公式ページ

松本市美術館は、日本の前衛芸術家「草間彌生」の出身地として知られる、長野県松本市の市街地に建つ公立美術館である。

草間彌生を始めとして、郷土ゆかりの作家の作品を数多く展示している。

大抵の場合、美術館建築は大きな都市公園の中や郊外に建てられることが多いのだが、松本市美術館は松本市の市街地中心に建てられている。

そんな敷地条件に対して宮本忠長は、敷地内に複数の広場を設けた上で、建物1階部分を一部ピロティにすることで、街と美術館との間に回遊的な関係性を作り出している。

5.くつかけテラス

くつかけテラス
photo by 663highland/CC 表示 2.5
  • 設計:宮本忠長建築設計事務所+トーニチコンサルタント
  • 住所:長野県北佐久郡軽井沢町
  • 竣工:2013年
  • 用途:図書館・店舗・集会施設
  • URL:公式ページ

くつかけテラスは、図書館・店舗・観光案内所などを併設した、中軽井沢駅前に建つ地域交流施設である。

建築の設計は、長野県出身の建築家「宮本忠長」と「トーニチコンサルタント」の共同設計で行われた。

建築としては、浅間山と呼応するかのような「山型フォルム」と、重厚感と透明感を兼ね備えたファサードが印象的な外観を形成している。

昼間は、外形によって山型のシルエットを作り出しているが、夜間になると内部の光が外部に漏れだすことによって、光の形として山型のシルエットを形成しており、この昼夜の対比もくつかけテラスの魅力となっている。

宮本忠長の著書

著:宮本忠長建築設計事務所, その他:【寄稿】 内藤 廣(建築家) 藤森照信(建築家) 市村次夫(小布施堂 店主) 三井所清典(建築家) 中村光男(建築家) 仙田 満(環境建築家)
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著:宮本 忠長
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今回はこれで以上になります。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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