武蔵野プレイスとは?

武蔵野プレイスは、東京都武蔵野市の武蔵境駅前に建つ図書館やカフェなどからなる複合施設である。
設計を務めたのは、川原田康子と比嘉武彦によるアトリエ事務所「kwhgアーキテクツ」。
「新しいソーシャルに向けて」
このようなコンセプトを基に、開かれつつ囲われた空間が人々に新たなコミュニティ形成の場を提供している。
kwhgアーキテクツ
kwhgアーキテクツは、2004年に川原田康子と比嘉武彦によって設立されたアトリエ系建築設計事務所である。
もともと存在した両者の事務所、「カワハラダヤスコ+KwhDアーキテクツ一級建築士事務所」と「比嘉武彦建築研究所」を統合した形となる。
代表作としては、「武蔵野プレイス」「伊香保グリーン牧場 Green Leaf 森のカフェ」などが挙げられる。
建築の特徴

武蔵野プレイスの建築的特徴としては、次のような点が挙げられる。
- 交わる機能と人々
- 反復する空間
- 心地よいざわめきをつくる吹き抜け
- シェル状のユニット
- 施設に隣接する公園
交わる機能と人々

武蔵野プレイスは「図書館」「生涯学習」「市民活動」「青少年活動」(+カフェ)などの機能が混ざり合った複合施設である。
これらの機能が、完全に分断されるのではなく曖昧に繋がりながら一つの建物に混在している。
これによって、さまざまな年代や目的を持った人々が混ざりあい、新しい在り方のソーシャル空間が形成されている。
反復する空間

武蔵野プレイスの内部空間は、一定のスパンで曖昧に区切られた空間が連続する構成となっている。
その上で、あるところでは左右2つの空間が結合して大きな空間をつくっていたり、またあるところでは上下の空間が結合して大きな吹き抜けがつくられたりしている。
これらの結合によって、規則性の中に多様性を含んだ魅力的な空間が形成される。
心地よいざわめきをつくる吹き抜け

建物内部に点在する、上下階を大胆に貫く大きな吹き抜け。
この吹き抜けは「カフェ」などのやや騒がしい空間と「ライブラリー」などの静寂の空間という相反する空間をあえて接続している。
これによって、建物全体が人々が心地よいと感じるような適度なざわめきを持った空間となる。
シェル状のユニット

一つ一つの空間を形成する空間ユニットは、壁面と天井面の境界が曲面によってシームレスに繋がっている。
このシェル状のユニットは「ルーム」と呼ばれ、空間全体を優しく包み、人々に身体的心地よさを与える。
さらに、この「包み込む」という感覚は構造だけでなく熱環境でも感じられるようになっている。
躯体と仕上げ材の間に冷気・暖気を流すことで放射冷暖房を実現し、空間が暖かい空気あるいは冷たい空気によって優しく包み込まれているように感じる。
施設に隣接する公園

武蔵野プレイスの前面には大きな公園が隣接している。
この公園も施設の建設と共に計画・整備されたもので、公園内のベンチやテーブルも設計者であるkwhgアーキテクツが設計しているという。
建築概要
- 所在地:東京都武蔵野市境南町
- 竣工 :2011年1月
- 用途 :複合施設
- 構造 :RC造、SRC造
- 階数 :地下3階 地上4階
- 設計 :kwhg アーキテクツ
- 施工 :フジタ・白石・清本建設共同企業体
- 構造 :梅沢建築構造研究所
- 設備 :設備計画
- URL :https://www.musashino.or.jp/place/
最後に・・・
以上が武蔵野プレイスの特徴でした。
開きつつ囲われたシャル状の空間ユニットによって、人々が居心地よく感じるような魅力的な空間が形成されていたと思います。
是非一度、武蔵野プレイスに訪れてみてください!!
ご覧いただきありがとうございました。