今井兼次の建築作品4選【人物像・代表作などを解説】

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みなさんこんにちは、本サイト「建築LIFE」を運営しているたけです。

今回は、早稲田大学で長年教鞭をとった建築家「今井兼次(いまいけんじ)」の建築作品4選をご紹介したいと思います。

ガウディを日本に伝え、ガウディの研究に半生をささげたことでも知られる人物です。

是非最後までご覧ください。

目次

今井兼次(いまいけんじ)とは?

今井兼次の経歴

  • 1895年 東京に生まれる
  • 1919年 早稲田大学建築学科卒業
  • 1919年 早稲田大学助手・助教授
  • 1926年 欧米留学
  • 1937年 教授
  • 1965年 名誉教授
  • 1987年 逝去(92歳)

今井兼次(いまいけんじ)は、早稲田大学建築学科を卒業後、同大学で教職に就きつつ、数多くの実作も手掛けたことで知られるプロフェッサーアーキテクトである。

ヨーロッパ留学の際に見た「アントニ・ガウディ(1852~1926年)」の作品を、日本で最初に紹介した人物として知られており、ガウディの研究に半生をかけたともいわれている。

そんな、今井兼次の代表作には「日本二十六聖人記念館」や「碌山美術館」などが挙げられ、ガウディ建築に影響を受けたであろう特徴が散見される。

また、早稲田大学の今井兼次研究室からは、池原義郎上松佑二などの有名建築家を輩出している。

今井兼次の建築作品4選

1.日本二十六聖人記念館

  • 設計:今井兼次
  • 住所:長崎県長崎市西坂町7-8
  • 竣工:1962年
  • 用途:資料館・聖堂
  • URL:公式ページ

日本二十六聖人記念館は、日本二十六聖人(豊臣秀吉の命令によって処刑された6人の宣教師と20人の信者)の顕彰を目的として建てられた記念館である。

本記念館は、資料館(写真左)と聖堂(写真右)の2棟で構成されており、道路を挟んで向かい合うようにして建てられている。

資料館は、コンクリート打ち放しの仕上げや、水平ラインを強調した構成など「モダニズム建築」の様相を示している一方で、聖堂に関しては「ガウディ建築」を彷彿とさせる有機的な双塔が、独特な外観を形成している。

1962年には、日本建築学会賞作品賞も受賞した、今井兼次の代表作である。

2.碌山美術館・碌山館

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  • 設計:今井兼次
  • 住所:長野県安曇野市穂高5095-1
  • 竣工:1957年
  • 用途:美術館
  • URL:公式ページ

碌山美術館は、近代彫刻家・荻原碌山(おぎわらろくざん)の作品や資料の展示を目的として、1958年に開館した個人美術館である。

荻原碌山の出身地である長野県東穂高村(現・安曇野市)に位置しており、独立した複数の棟に、展示室やミュージアムショップなどの機能が分散配置された構成となっている。

今井兼次が設計を務めたのは、碌山館と呼ばれるメイン施設だ。

荻原碌山が青年期、キリスト教に傾倒していたことから、碌山館はキリスト教の聖堂をイメージしてデザインされている。

2010年には、国の登録有形文化財にも指定された、今井兼次の代表作である。

3.大多喜町役場

大多喜町役場
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  • 設計:今井兼次
  • 住所:千葉県夷隅郡大多喜町大多喜93
  • 竣工:1959年
  • 用途:町役場
  • URL:公式ページ

大多喜町役場は、千葉県大多喜町の行政業務を行う役所として、1959年に建設された建築物である。

水平性の高い鉄筋コンクリート造の大多喜町役場は、日本モダニズム建築の代表作として知られており、2015年には国の登録有形文化財にも指定されている。

2012年には、東京大学大学院で教授も務める「千葉学」の手によって、既存等の改修と増築工事が行われ、歴史を継承しつつ、新しさを付加した新町役場が出来上がった。

4.早稲田大学坪内博士記念演劇博物館

早稲田大学坪内博士記念演劇博物館
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  • 設計:今井兼次
  • 住所:東京都新宿区西早稲田1-6
  • 竣工:1959年
  • 用途:博物館
  • URL:公式ページ

早稲田大学坪内博士記念演劇博物館は、英文学者・坪内逍遥の古稀の齢(70歳)と、彼が半生をかけて翻訳した『シェークスピヤ全集』全40巻の完成を記念して、1959年に建設された博物館である。

坪内逍遥が教授が長年教鞭をとった、早稲田大学早稲田キャンパス内に建てられている。

本美術館は、世界にも数少ない演劇を専門的に取り扱う博物館であり、日本のみならず世界各国の演劇に膨大な資料を収蔵・展示している。

建築は、16世紀のイギリスに存在した劇場「フォーチュン座」を模したデザインとなっており、建物自体が演劇博物館の展示品のようになっている。

今井兼次の著書

著:今井 兼次, 編集:多摩美術大学今井兼次共同研究会
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著:今井 兼次
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今回はこれで以上になります。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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