コミュニティステーション東小金井

コミュニティステーション東小金井は、東小金井駅近くに建つ高架下を活用した建築物である。
設計を務めたのは、日本大学建築学科で教授も務める建築家「古澤大輔」。
「多様な主体を受け入れる空間」
このコンセプトを基に、高架下というマイナスイメージのある場所に魅力的な空間が形成されている。
古澤大輔とは?
- 1976 東京都に生まれる
- 2000 東京都立大学工学部建築学科卒業
- 2002 同大学院修了
- 2002 メジロスタジオ設立
- 2013 リライト_Dに組織改編
古澤大輔は、住宅やクリニック、商業施設など多岐にわたって活躍する建築家である。
代表作としては、「古澤邸」「十条の集合住宅」「下高井戸の産婦人科」などが挙げられる。
また、日本大学理工学部建築学科で教鞭をとっており、その独特な深い思想は建築界に広がりつつある。
建築の特徴

コミュニティステーション東小金井の建築的特徴としては、次のような点が挙げられる。
- 高架構造と建物構造の分離
- 本体とファサードの分離
- 記号性と実用性
- コンテナでできた本体
高架構造と建物構造の分離

コミュニティステーション東小金井の建物本体は、高架下の高さに対してかなり低めに構造体を設定している。
これによって高架と建物の間に隙間が生まれ、奥には反対側の鮮やかな空が見え隠れする。
これによって、高架下の暗いイメージを払拭しようと試みたそう。
本体とファサードの分離

この建築では、店舗などが入る建物本体とファサードが分離されている。
分離されたファサードは、一筆書きで空中に線を引いたかのような細いスチールフレームで形成されている。
このフレームによって、建物全体で一体感が生まれ賑やかな空間となることを狙ったという。
記号性と実用性

ファサードのフレームには、いくつか大きなドアのような白い壁が開かれた状態で設置されている。
このドアという記号性を利用することで「高架下に入る」という行為が顕在化されている。
さらに、建物本体のドアは外開きの黒いドアになっており、記号的な白いドアと実用的な黒いドアがファサードと建物の間の路地的空間で向かい合いあう。
この構成によって、路地空間では人々の動きを感じられる空間が形成されている。
コンテナでできた本体

建物本体は、海洋コンテナのモジュールを基本として構成されている。
全体としては20ft型コンテナ40個程度が連結することで、店舗などを収める内部空間を形成している。
このコンテナの利用によってコスト削減や工程の簡略化を図ったそう。
建築概要
- 所在地:東京都小金井市
- 竣工 :2014年10月
- 用途 :物販店舗 飲食店舗
- 構造 :S造
- 階数 :地上1階
- 設計 :リライトデベロップメント
- 施工 :菊池建設
- 構造 :ウエルストン設計(コンテナ)
- 設備 :EOSplus
最後に・・・
以上がコミュニティステーション東小金井の特徴でした。
高架下というマイナスイメージのある場所の特徴を捉え、魅力的な空間へと誘うような工夫が随所にみられた魅力的な建築でした。

是非一度、コミュニティステーション東小金井に訪れてみてください!!
ご覧いただきありがとうございました。