藤井厚二の建築作品3選【人物像・代表作などを解説】

みなさんこんにちは、本サイト「建築LIFE」を運営しているたけです。

今回は、木造モダニズム住宅の先駆者「藤井厚二」の建築作品3選をご紹介したいと思います。

日本の風土に最適な住宅の在り方を追求した建築家です。

是非最後までご覧ください。

目次

藤井厚二(ふじいこうじ)とは?

藤井厚二の経歴

  • 1888年 広島県に生まれる
  • 1913年 東京帝国大学建築学科卒業
  • 1913年 竹中工務店入社
  • 1919年 退社
  • 1920年 京都帝国大学講師
  • 1921年 同大学助教授
  • 1926年 同大学教授
  • 1938年 逝去(49歳)

藤井厚二は「日本の風土に適した住宅」というのを環境工学的な観点から追求した建築家である。

東京帝国大学建築学科を出た藤井厚二は、卒業後すぐに竹中工務店に入社し、若手ながら複数の建築設計を担当していたが、6年余りで退社。

その後は、京都帝国大学で教鞭をとりながら、いくつもの自邸を「実験住宅」として建設した。
日本の風土に、真に適したを住宅建築を追求したのである。

そのため、藤井厚二の代表作には「聴竹居」や「八木市造邸」などの住宅建築が名を連ねる。

また、藤井厚二が追及した、日本の風土に適した住宅に関する研究成果は『日本の住宅(1928年)』にまとめられて発表されている。

藤井厚二の建築作品3選

1.朝日新聞大阪本社 ※現存せず

  • 設計:藤井厚二/竹中工務店
  • 住所:大阪西区江戸堀南通
  • 竣工:1916年
  • 用途:オフィスビル
  • URL:公式ページ

朝日新聞大阪本社は、大阪朝日新聞の本社として1916年に建設された、地下1階・地上4階のオフィスビルである。

藤井厚二が、まだ、竹中工務店に勤めていた時代に手がけた建築作品である。

建設当時は、まだ例の少ない「鉄骨鉄筋コンクリート造」を用いた建築物となっており、時代の先駆け的建築作品であった。

また、先進的なのは構造面だけではなく、意匠的にも「分離派」や「シカゴ派」にみられる先進的な構成が採用されていたという。

2.聴竹居(ちょうちくきょ)

photo by Indiana jo/CC 表示-継承 4.0
  • 設計:藤井厚二
  • 住所:京都府乙訓郡大山崎町
  • 竣工:1928年
  • 用途:住宅
  • URL:公式ページ

聴竹居(ちょうちくきょ)は、建築家が昭和時代に建てた住宅としては初めて「国の重要文化財」に指定された、木造住宅である。

藤井厚二が5つ目の自邸として建てた住宅建築であり、藤井が追及した「日本の風土に適した住宅」の集大成としても名高い建築作品だ。

聴竹居は、藤井家が暮らした「本屋」、藤井厚二の私的空間「閑室」、お客様を迎え入れる「茶室」の3棟で構成されている。

日本の伝統様式である数奇屋の意匠を基本としながらも、幾何学的形態や西欧様式なども積極的に取り入れており、藤井厚二が様式にとらわれず、日本住宅の究極系を追求している様子が顕著に表れている。

「木造モダニズム住宅」の先駆的事例として、歴史的に価値の高い建築作品である。

3.八木市造邸

photo by Ty19080914/CC 表示-継承 4.0
  • 設計:藤井厚二
  • 住所:大阪府寝屋川市香里本通町
  • 竣工:1930年
  • 用途:住宅
  • URL:公式ページ

八木市造邸は、大阪で商売をしていた八木市造(やぎいちぞう)とその家族のために建てられた、木造2階建ての住宅建築である。

藤井厚二が手がけた数少ない建築作品の中でも、現存する上、オリジナルの家具や調度品なども残る貴重な事例だ。

日本の伝統様式を基盤としつつも、西欧の椅子式の生活様式に合わせた構成や、幾何学的形態を用いた意匠など、聴竹居との共通点が散見される。

2023年8月には、その歴史的価値が認められ、国の登録有形文化財に登録された。

藤井厚二の関連書籍

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監修:目黒区美術館, 監修:京都文化博物館, 監修:松隈 章(竹中工務店)
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今回はこれで以上になります。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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